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オールドレンズ女子部 撮影散歩&お茶会
10月15日 場所は横浜イングリッシュガーデン
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オールドレンズ写真学校 写真展
11月3ー5日 場所は原宿 申込制:定員13名(参加資格有) 詳しくはこちら スタッフとして参加予定です。

2011/03/10

トロニエの魔鏡1:銘玉の源流
Schneider-Kreuznach Xenon 50mm/F2

上のスケッチはXenonの設計を発表した
1925年当時のA.W.Tronnier。天才っぽい
雰囲気を漂わせ、何かを掴み取ろうとす
るかのような野心的な形相だ。とても
23歳とは思えない。メモを手に煙草をふ
かしながら何やら考え事をしている。目の
隈がひどく、Xenonの設計に過剰なまで
の情熱を費やしていたことがうかがえる。
の後退も年齢の割には早いように
見える
Goerz, Schneider, Voigtländer, 米国Farrand Opticalに籍を置き、写真用レンズの設計者として数多くの銘玉を世に送り出したAlbrecht-Wilhelm Tronnier[トロニエ博士](1902-1982)。レンズ設計の分野では収差を徹底的に取り除く事が良しとされてきたそれまでの基本的な考え方に疑問を抱き、収差を生かし、時には積極的に利用するという逆転の発想によって比類ないレンズを世に送り出してきた。独特な設計思想から生みだされた彼のレンズの描写には妙な迫力、写真の域をこえたリアリティがあり、周辺画質をやや犠牲にしてまで実現した中央部の描写には生命感が宿るとさえいわれている。20世紀最高のレンズ設計者と称えらながらも、自らの著書、技術者としての理念などは伝わっていない。レンズのブランド名とは対照に、それを設計した技士の名が世に出ることは当時から殆ど無かった。人々がTronnierの比類無い功績に気付きはじめたのは、おそらく彼がフォクトレンダーを引退した後、しばらくたってからの事だったに違いない。米国へ移住後も歴史の表舞台に姿を見せることはあまり多くなかった。Tronnierの技術者としての理念や思想を知るには、残された個性豊かなレンズ群と対話し、それらに託された博士からのメッセージを汲取る以外に方法はないのだ。本ブログでは数回のシリーズに分け、Tronnier博士が手掛けたガウス型標準レンズを紹介する。博士の設計思想に触れるとともに、彼の設計したレンズの特異な描写力とその秘密にも迫っていきたい。

今回紹介する一本はTronnierがSchneider在籍時の1934年に開発したXenon (クセノン) 50mm F2である。このレンズは彼が1920年代半ばから手掛る初期の作品であり、Planarの光学系が持つ対称構造を緩やかに崩した非対称な設計を特徴としている。古典的な対称ガウス型(4群6枚プラナー型)からの脱却は当時の最先端の試みとして、後に銘玉と呼ばれるULTRON(ウルトロン)やNOKTON (ノクトン)などの代表作を生みだす源流となった。




再設計によって1935年に5群6枚で登場したXenon 50mmF2。今回入手したのはRetina用Xenon(写真・上段 Sony A7にマウント)とExakta用Xenonの交換レンズ(Eos Kissにマウント)である。このレンズは古典的なPlanar型レンズが持つ張り合わせ構造の前群側をはがした派生物として生み出された。Xenonの開発で確立されたこの種の構造はTronnierが大口径レンズを設計する際の基本形となった

1920年代前半、Xenonの開発に取り組むTronnierはドイツのSchneider社に籍を置く若い技士だった。レンズの設計者として、まだ駆け出しだった彼に課されたのは、ZEISSの Paul Rudolphが1896年に設計したPlanarを改良し、更に優れたレンズを発明することだった。彼がまず注目したのは1920年に英国Taylor-Hobson社のH.W.Leeが発明したOpicである。OpicはPlanarの対称構造を緩やかに崩すという着想から生み出されたレンズであり、旧来の対称ガウス型の設計に比べて球面収差、色収差、像面湾曲収差を良好に補正できるという優れた性質を備えていた。Tronnierは1925年にまずOpicと同等の4群6枚の光学系を持つXenon F2を開発(German Patent #DE439556)、1934年の改良では対称性を更に崩し前群の張り合わせまでをも分離させた5群6枚の2代目Xenonを開発し、この光学系がOpicの長所を引き継ぎながらコマフレアと像面湾曲の同時補正を可能にする優れた設計であることを示したのだ(US.Patent #2627204-#2627205)張り合わせ面の分離は設計に自由度を与え、収差の高度なコントロールを可能にする。トロニエの設計した2代目xenonは像面の平坦性を保ちながら中間画角から周辺画角にかけて発生するコマフレアを抑え、ヌケの良さとコントラスト性能を向上。また、非点分離が従来の対称ガウス型レンズよりも小さく、旧来の設計がピント部の四隅にかかえていた弱点を見事に緩和したのであった。しかし、当時は今とは違いコンピュータによる設計を人の手作業でこなしていた時代。光学系の構造が1群増えるだけでも設計者がチューニングに費やす負担は、はかり知れないほど増大したのである。
光学系の変遷: 左から対称ガウス型のPlanar(1896, Rudolph)、非対称ガウス型のOpic(1920, Lee)とXenon(1925, Tronnier), 変形ガウス型の2代目Xenon(1934/発売は1935年頃, Tronier)。2代目Xenonは第2群の凸レンズと第3群の凹レンズが分離しており、コマ収差の補正が強化されている


Xenonは1930年から一般カメラ用レンズとして供給されるようになった。最初はNagel社のPupilleというカメラに細々と供給されていたが、1931年にNagel社が米国Kodak社に買収されドイツコダックになったのを機に、1934年からは新製品のKodak Retinaシリーズに対しても供給されるようになった。Xenonの生産量はRetina/Retina IIの大ヒットに牽引されて1934年半ばから急増している。また、この頃からExakta用レンズも供給するようになり、レンズ単体の魅力で勝負する交換レンズ市場に打って出ている。当時のライバルはZeissのBiotarと英国Dallmeyer社のSuper Sixである。高度な設計技術により生みだされたXenonはライバル達が抱えていたフレアの問題やグルグルボケの症状が殆ど表れず、ピント部四隅での画質低下の少ない、当時としては大変優秀なレンズであった。おそらくトロニエは収差を徹底的にキャンセルする光学計算を日夜繰り返し、膨大な労力を費やしていたのであろう。しかし、そうした力みは当時まだ殆ど意識される事の無かったアウトフォーカス部の画質(ボケ味)に想定外の影響を生みだしてしまった。Xenonの撮影結果には収差の過剰な補正による強い2線ボケが発生し、先に述べたライバル達からの優位性は殆ど薄れてしまったのである。光学系の構成が複雑でハレーションを生みやすいという弱点もあり、交換レンズ市場ではOpicと同等の設計を持つBiotarに押され、Biotarより2~3割安く売られていたにもかかわらず、シェアを全く伸ばすことができなかったのだ[注1]。当時の写真家たちはXenonよりもBiotarをより高く評価したのである。XenonはBiotar(Opic型)の光学系を起点にTronnierが改良を重ねて完成させたレンズであり、この敗北は設計者Tronnierにとって相当に屈辱的な出来事であったに違いない。戦前のXenonは固定装着用レンズまで含めた総数で見れば、Biotarよりも多く売られた。しかし、それはRetinaの爆発的なヒットによるものであり、Retinaの牽引なしにはありえなかったことを先の敗北は決定的に意味していたのだ。 若い設計技士Tronnierはこの敗北から何を学んだのであろうか。Xenonはトロニエが正攻法で開発し育ててきた初期の代表作であり、設計者人生の原点とも言えるレンズだ。「写真は標準レンズに始まり標準レンズに終わる」なんて格言をよく耳にする。写真に関わる人々にとって標準レンズは基本であり到達点でもあるという意味だが、それは設計者にとっても同じことであろう。Xenonによる苦い体験はTronnierの設計哲学に少なからず影響を与えていたに違いない。そして、いつの頃からか彼は収差を徹底的に封じるというスタイルを改めることになったのである。

注1・・・Xenonは1925年に4群6枚の構成で開発され、翌26年3月にプロトタイプとなるマスターレンズが造られた。20年代後半は製版用など特殊用途向けに若干数が製造されるだけであったが、1934年半ばにはKodak Retinaシリーズ向けに5群6枚構成へと設計が改良され大量生産されるようになった。生産本数だけで見れば戦前に造られたダブルガウス型レンズとしては、最も多く市場供給されたブランドになる。これに対し、交換レンズ市場でのXenonは影の薄い存在であった。たとえばExakta(35mm)用に造られたXenonはライバルのBiotarより2~3割安価に売られていたが、戦前のBiotarの出荷量が5600本強であるのに対しXenonは1300本弱と奮わず、戦後の復興期である1945-1949年にはBiotarが25000本強も出荷されているのに対しXenonは僅か320本であった。高級なナハト・エキザクタの交換レンズ市場においても、XenonはBiotarより安く売られたが、総出荷数はBiotar 80mm/F2が1880本であるのに対しXenon 80mm/F2は僅か27本であった。XenonはKodak Retina用に供給されたものが大半であり、他社との販売競争を繰り広げた交換レンズ市場での需要はあまり高くはなかった(Schneider-Kreuznach band I-III, Hartmut Thiele 2009と、Fabrikationsbuch Photooptik II, Carl Zeiss Jena 1927-1991を参考)。

Xenon 50mm F2(Exaktaマウント用): 重量約190g, 構成 5群6枚(変形ガウス型), フィルター径29.5mm, 絞り値F2-F16, 最短撮影距離約75cm, 絞り羽15枚, 絞り機構は手動。第二次世界大戦前の初期のロットにはガラス面にコーティングが無く、戦後(あるいは戦時中)からの適用となったようだ。本品は1949年に製造された200個体のうちの1本で、ガラス面にはブルーのコーティングが蒸着されている。レンズ名の由来は原子番号54のキセノン原子、あるいはこの原子の語源となったギリシャ語の「未知の」を意味するXenosと言われている
Xenon 5cm F2(Retina用): 重量(実測)80g, 構成は5群6枚(変形ガウス型), フィルター径 29.5mm, 絞り羽 10枚, 絞り F2-F16, マウントネジ径 25mm, シャッター シンクロ・コンパー(1/500s), 本品は1939年の製造個体で薄いコーティングが施されている
 
入手の経緯
Exakta用Xenonは2011年1月にeBayを介して米国カリフォルニアの中古カメラ業者サウスサイドカメラから169㌦の即決価格(送料込の総額は202㌦(1.7万円))で落札購入した。商品の状態はFine conditionで「チリ、カビ、バルサム切れはない。僅かな傷がある。絞り羽根にオイルは回っておらず、しっかり開閉する。鏡胴にはややスレがある。写真を見てくれ」とのこと。Exaktaマウント用のXenonはややレアなレンズであり、状態の良いものはeBayでもなかなか出てこない。届いた商品には確かに前玉に拭き傷が少々あったが、実写には影響の無いレベルでありクモリもなかった。本品にはクモリ玉がたいへん多いので経年を考えた場合の保存状態としては上々。eBayでの落札相場は150-200ドル程度であろう。
Retina-Xenonは知人からブログで使ってくれと頂いた品である。もともとはKodakのレンズ固定式カメラRetina Ⅱ/Ⅲに搭載されていたレンズのためレンズ単体で売られていることはない。いろいろなパーツを組み合わせM42ヘリコイドチューブに搭載しミラーレス機で使用することにした。前玉表面に拭き傷と軽いヤケが見られたが実写には影響のないレベルであった。

撮影テスト
ピント部は解像力が良好で、戦前のガウス型レンズとしてはコマも良好に補正されている。シャープでスッキリとヌケの良い描写である。ただし、ピント面を重視しすぎた過剰な球面収差の補正により背後のボケが硬くなり、開放では2線ボケが顕著に表れる。この場合、コマを少し残存させ背後の2線ボケを覆うことで柔らかいボケ味にするという手段もあるが、若い時代のトロニエのレンズからは収差を利用するというよりも徹底して補正しているという正攻法の設計理念が伝わってくる。開放ではグルグルボケがやや出るものの戦前のガウス型レンズとしてはかなり良好に補正されている。空気境界面が多い設計仕様のた厳しい逆光ではゴーストやハレーションが出る。以下作例
Exakta Xenon @F2(開放),  銀塩撮影(Uxi super100):ヌケがよくピント面は周辺部に至るまでとてもシャープである。コマ収差、非点収差を有効に抑えながら像面湾曲もよく補正されている。開放絞りで撮影すると、ご覧のように距離によっては2線ボケがかなり目立つ結果となる。解像力を重視し球面収差を過剰補正したことによる副作用といえるだろう
Exakta Xenon @F2(開放), 銀塩撮影(UXi super100): グルグルボケは最も激しくてもこんなものでBiotarよりも良好である。前玉のキズのせいか少しハレーションがでた
Exakta Xenon @F8, 銀塩撮影(Uxi super100):絞ればコントラストは高く、シャープだ。味わいのある温調(黄色)気味の発色になっている
Retina-Xenon @F5.6+Sony A7(AWB): こんどはデジタル撮影。マクロ域でも写りはシャープだ
Retna-Xenon @F4+ Sony A7(AWB)  コーティングが入っているとはいえ古い時代のもの。厳しい逆光ではゴーストやハレーションはさけられない
Retina-Xenon @ F2(開放) + Sony A7(AWB): 近接撮影では収差変動のため球面収差がアンダーに変化しボケ味は柔らかい拡散となる
Retina-Xenon @F5.6+Sony A7(AWB):


2代目Xenonによって確立された高度な設計(変形ガウス型レンズ)はコーティング技術やガラス硝材の進歩に援護され、後のSummicron-R (50/2)や新型Planar、現代の日本製レンズにも数多く採用されている。Tronnierは時代の遥か先を行く先駆的な設計を考案していたのだ。開発当時の周辺技術がそれを支える程まで成熟していなかったのは大変不運な事である。なお、1960年代に造られた後継モデルのXenon 50mm/F1.9はBiotarと同じ古典的なPlanar/Opicタイプの設計に退行してしまった[注2]。一方、2代目Xenonの設計は歴代のXenonの中でも異質な存在であり、Ultronタイプと呼ばれることがある。

注2・・・ここで述べているのはXenonの後継品の性能が退化したという意味ではない。ガラス硝材が進歩すれば、わざわざ光学系の設計自体を複雑化させなくとも、同等な性能のレンズを実現させる事が可能だからだ。光学設計による描写力の改善を外科治療に例えるならば、硝材の進歩による描写力の改善は内科治療みたいな関係となる。私自身、後継モデルの大ファンだ。
 
Xenonは若く純粋な技士Tronnierが従来の設計思想を踏襲しながら正攻法で開発したレンズだ。ライバルBiotarが採用したOpic型の設計を高度化し心血を注いで完成させたレンズは、交換レンズ市場におけるBiotarとの勝負に完敗してしまった。世の多くの写真家たちはXenonよりもBiotarの魅力に軍配を上げたのである。苦労して新設計を発明した事に一体どれほどの意義があったか・・・。Tronnierは虚しさのあまり、恐らくこの時にグレちゃったのであろう。そして彼はフォクトレンダー社への移籍後、事も有ろうにXenonの光学系をベースに据えた魔鏡Ultronの設計に着手するのである。

28 件のコメント:

  1. NOCTOのリンクから。

    私も昔、Xenon50mmF/2の解像度が凄い、といわれ探したのですけど見つからず...やっと先日、某オークションで本体付きで2万で見つけて...終了寸前に入札しようと目論んでいたのですがこの記事のせいで、ちょっと競争率高くなりそうだなと、ちょっと(苦笑
    それは冗談としても、やはりよい素性のレンズであるようで、いずれは、と思いました。

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  2. Spiral,

    You should also try one of the latest Tronnier's lenses the Voigtlander Color Ultron 1.8/50 (also found as Rollei Planar 1.8/50)... cheap and amazing lens!!! Sharpest lens @1.8 ever , with excellent bokeh ;)

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  3. By the way keep the good work, I really like your reviews even after using a translator :D

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  4. Hi Keyser Soze

    Thank you for good advise.

    It is really wonderful and surprising to me that the Color-Ultron was designed by Dr.Tronnier.
    Can we confirm the fact by a book or any other published source? There is no such information in books i have. Tronnier left Voigtländer because of the dispute concerning the pension in the late 1950s.

    many thanks

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  5. Hello Spiral,

    Dr Tronnier worked for Zeiss in the late 60s and specially to the Zeiss ikon lenses ;) The lens is finallised by

    Check Taunusreiter's post here:

    http://forum.mflenses.com/rollei-planar-1-8-50-if-you-have-it-keep-it-t16728,highlight,+rollei++planar,start,45.html

    Taunusreiter owner of the http://www.taunusreiter.de/Cameras/Bessa_RF_histo.html site knows personally the son of Dr. ronnier ;) The lens was finalized by Glatzel(Zeiss Head Designer) but based on early Tronnier's designs us he worked in Zeiss ...

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  6. Wow!
    The above webpage is certainly
    a powerful source of information.
    I thank you Mr.Keyser!

    In the next blog entry, i will presume a Tronnier's story while developping XENON F1.5.

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  7. piral,

    How do you compare this lens with the Edixa Xenon 1.9/50 ?
    I'm very interested for your opinion specially for the bokeh part and colour reproduction capabilities... I'm interested to buy one of the two so you opinion is valuable....

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  8. Hi Keyser

    Edixa-Xenon 1.9/50:

    Blue is slightly stronger than the normal
    color balance that makes color-tone cool,
    very vivid green. This property is sometimes
    referred to as "Schneider blue".

    The outline part in the out-of-focus region diffuses gently, leading to bokhe mild and soft.

    Please see my charming daughter in the following:
    http://spiral-m42.blogspot.com/2010/05/schneider-kreuznach-edixa-xenon-50mmf19.html


    Xenon 2/50:

    Yellow is slightly stronger that makes
    color-tone warm.

    Bokhe is not soft and untidy like my hair.
    This is due to an overcorrection for
    spherical aberration. We often see that
    the outline part in the out-of-focus
    region is splitting. That is called
    "Nissen-bokhe" in Japan. I donot know
    an appropriate English word for this phenomenon.

    Is "splitting bokhe" appropriate?

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  9. thanks for you reply !!!

    From the your pics from both your reviews ,my preference will go to the Edixa-Xenon 1.9/50 (your daughter pics) , specially for the bokeh part ... now if only I could find a review for the the edixa vs the last Xenons ever made, the Schneider Kreuznach 50mm f1.9 Auto Xenon for Rollei(very rare) and the Schneider Kreuznach 50mm f1.8 Auto SL-Xenon for Rollei QBM mount again.
    Reviews of those are nearly non existent in the net.

    I already have 4 double gauss 50~55mm lenses and was looking for a Schneider one for a comparison ...

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  10. 修正事項は光学系の変遷についてです。
    Xenon 1st 1925 4群6枚
    Xenon 2nd 1934中旬 5群6枚 for kodak retina

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  11. Xenon F2の5Gタイプが登場する時期についてはカタログ等によるエビデンスが得られないので、Retina向けに生産が開始さた1934年(Schneider台帳参照)としました。

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  12. 初めまして。遅ればせながらこの記事を拝見させていただきました。
    普段Xenonのシネレンズを常用として使っているものでございます。確かにベルテレやルドルフ等ツアイスのレンズ設計者の話はよく拝見するのですが、一番好きなXenonの設計者の話は初めて拝見しました。歴史のちょっとしたいたずらで表舞台に立つレンズ(設計者)もいれば、埋もれてしまうレンズ設計者もいるのですね。Spiralさんの記事を拝見して僕がXenonにこだわっている理由が設計者の思いであることが分かり非常に感激しました。そしてなんだかUltronが気になってしまいます。ルドルフもそうなのではないかと勝手に妄想してしまうのですが、膨大な計算と数式的に正しいものとよしとするレンズ設計を繰り返しているうちに間違いの中にある良さに魅入られてしまうのでしょうか?Xenonやキノプラズマットにはそんな人生観を感じます。Spiralさんの徹底的にリサーチして、事実をひとつの物語として再構築していく文書が面白くて今回のお話も一気に読んでしまいました。これからも新しい記事を楽しみにしています。

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    1. ヨッピーさん

      あたたかいコメント有難うございました。謎の設計者トロニエについては多くの方が知りたいという要望を抱いていたようで、この記事は出した後の反響が他の記事よりも大きかったです。トロニエに関しては、とにかく情報が少ないため、想像力を膨らませながら限られた僅かな情報を用いてストーリーを組み立てる必要がありました。それはまるで、砂漠に花を咲かせるような、とても楽しい行為でした。

      戦前のトロニエが貫いたレンズの設計理念は「正攻法」ですが、ツァイスのブランド力には全く歯が立ちません。こうした苦い経験を踏まえたトロニエは新たな設計理念とともに才能を開花させます。巨人ツァイスに対して反転攻勢に出るために、技術力での勝負を捨て、アイデアによる勝負に切り替えます。そして、それまでのレンズ設計の常識を覆す新たなアイデアを導入した「魔境」を生み出してゆくのです。戦前のXenon F2はUltron F2に生まれ変わり、Xenon F1.5はNoktonに生まれ変わります。トロニエのダブルガウスレンズについては、晩年の大作Super Farronもありますが、こちらはレアな上に高価ですので、入手できそうにありません(泣)。

      魔境シリーズ3・4も予定しております。
      これからもご声援よろしくおねがいいたします。

      削除
    2. SPIRALさん

      ご返信ありがとうございます。魔鏡シリーズ3・4楽しみにしております。
      おっしゃるとおりトロニエ博士の記録は断片的なものが多かったので、本当に勉強になりました。恥ずかしながら、私もブログをさせていただいているのですが、SPIRALさんのブログを引用させていただいてもよろしいでしょうか?もちろん引用元の明示とリンクは必ずさせていただきます。つたないブログで、SPIRALさんの理路整然としたブログには及ばないのですが、自分なりに勉強して書いております。そういえばSuperFarronすごいですね。なんか外観だけでやられてしまいました。Farron社は航空系の光学メーカーのようですがこのレンズは航空写真用のレンズですか?NASAの報告書やら英語のページにしか記載がなく、全貌が分かりません。もしよろしければご教授いただけるとうれしいです。76mmF0.86と言う端数からしてもただのレンズではない気がします。ずうずうしいお願いですみません。
      新しいブログ楽しみにしております。

      削除
  13. SPIRALさん

    たびたびすみません。
    よく考えたら、SuperFarronのことが魔鏡シリーズの後半の内容ですよね。
    ネタばれになってしまうのでコメントの返信大丈夫です。
    魔鏡シリーズで明らかになるのを楽しみに待っております。

    返信削除
    返信
    1. Super farron 76mm f0.87はトロニエ博士が米国ferrand optical社に移籍した後に開発した怪物レンズで、航空撮影用造られた35mm版フォーマットのレンズのようです。レンズについてはフランス語のサイトにやや詳しい解説があったのですが、どこだったか忘れてしまいました(笑)。エキザクタマウントの品がebayに出品されたことがあり狙いましたが、入札額は1500ドル以上につり上がり手にいれることを断念しました。

      ヨッピーさんのブログも是非拝見させてください。私のような変態ブログの類ではないと思います(笑)。リンクやご紹介などもご自由にどうぞ。

      削除
    2. Spiralさん

      返信ありがとうございます。
      SuperFarronは航空撮影用のレンズだったんですね。しかし1500ドルはビックリです。でもあの外見とレンズの径だけでうっとりですね(笑)
      しかもf0.87ロマンだなぁ。
      そういえばボクのつたないブログのアドレスになります。
      http://ameblo.jp/raylow/
      ついさっき最近気づいたBokheの話を書いたんですが、このブログでずいぶん昔に扱っていたんですね。しかも的確に。いやぁお恥ずかしい。脱帽です。
      話は変わるのですが、最近Helios40が気になっていたのですが、つい昨日見つけてしまい、今葛藤中です。しかもCameflexマウントという変り種。
      ソビエト生まれのレンズがフランスのムービーカメラで使われていたなんて、なんかそれだけでご飯食べられそうです(笑)
      話がそれてしまいましたが、良かったらブログ見てみてください。
      不正確な表記などあると思われるのでご教授いただけると幸いです。
      あと、リンクと引用の件ありがとうございます。
      心強いです。
      ありがとうございました。

      削除
  14. ヨッピーさん

    「シネレンズとクラシックレンズで遊ぶ」をチラッと拝見しました。しっかりと論点があり、読み手を楽しませるのは勿論のこと、ヨッピーさん自身が一番楽しんで書いているという様子が伝わってきます(結局、Blogは楽しい独り言なのだと思っています)。内容も読みごたえあります。それと、文章が読みやすいので助かります。「カメラ界の七不思議」みたいなのは結構好きです。

    ローライ・プラナーとカラー・ウルトロンが気になるとのことですが、この2者は非常に良く写ります。自分の目で確かめたわけではないですが、光学系は同一とのことです。そして、これはあまり知られていない事なのですが、カラーウルトロンの開発にはトロニエがアドバイザー的な立場でかかわっており、トロニエの息子がそれを裏付ける証言を公開しています。晩年のトロニエはZeissに協力しているというのです。これは私には驚きでした。

    ズミタールとズミクロンの比較記事も面白いです。ズミクロンとズミタールの大きな差は空気レンズのようですが、この空気レンズはコマ収差(コマフレア)を抑える特効薬なのだそうです(「レンズ設計のすべて―光学設計の真髄を探る」辻定彦著)。これにより空気レンズを持たないレンズよりもヌケが良くなるというわけで、ヨッピーさんの作例の比較にそれが明らかに表れています。ナルホドなと思いました。

    カメラマンのお仕事をしてらっしゃるのですね。あー。なんか作例のモデルさん、どこかの雑誌の表紙で見たような気がします・・・・カワイイ。

    Helios 40は焦点距離こそ違いますがBiotar 75mmの模倣品と言われることが多くあります(私はまだ真相を知る程まで調べてはいません)。Biotar 75mmとHelios 40の関係には大変興味があります。以前Blogで取り上げたHelios 44の方は確かに戦前のBiotar 58mmをルーツにしているという事実が描写からもハッキリと伝わってきました。Helios 40は絞り羽根を閉じたときの形が星ボケのように歪な形になります。鏡胴にはロケットランチャーを想像させるような迫力がありますね。カメラにマウントするだけで熱くなれそうな萌えるレンズです。しかし、残念ながら、まだ触れた事すらありません。最近のhelios 40の市場価格は高くなりました。400ドルじゃ買えません。葛藤している最中が一番幸せです。ある意味、恋しちゃっているわけですから、いっぱい葛藤してくださいね。

    返信削除
  15. 最近 NEX5Nを買ってオールドレンズにハマりそうな状況です。レンズについての解説、説明は非常に参考になり 有り難いです。 ところで、写真のNEX5についているファインダーに興味を持ちました。情報を教えて頂けませんか?

    返信削除
  16. 掲載したターレット・ファインダーやズームファインダーは1950~1960年代に米国で売られた日本製で、eBayで時々出品される品です。今は造られていません。値段は100-200ドルくらいでした。ヤフオク等ではなかなか出てこない珍品です。

    eBayではデザイン製のあ高いオールドファインダーが結構出品されますので、思わぬカッコイイ品に巡り会えることがあります。辛抱強く探してみてください。

    返信削除
  17. digitalhomelessです。

    情報 有難うございます。
    気長に探すことも 楽しみの一つです。

    返信削除
  18. はじめまして、pikipikiと申します。いつも大変興味深く拝読させて頂いております。

    1925年の初代Xenonですが、本当に非対称型なのでしょうか。
    パテントのDE439556の内容は対称型です(独語なので正確にはわかりませんが…)。
    また、無一居さんやoldlens.comさんが公開していらっしゃる当時のカタログを見ても、
    構成図は基本的に対称型であるように見えます。ただ、絞りの前後で口径が若干違うようです。
    http://www.photo-china.net/pub/sc3.html Schneider PHOTOGRAPHIC LENSES p25と
    oldlens.comさんのThe British Journal Photographc ALMANAC 1930 のSchneiderの項です。

    Kingslake本も見てみたところ微妙な表現でしたが、Xenonが非対称と明言はしていませんでした。
    エントリの初代Xenonの構成図はRetina-Xenon C 50mm F2のものではないでしょうか。
    このRetina-Xenonの特許はおそらくU.S. patent 2796002やU.S. patent 2824494などで、
    これらの構成図がエントリの図とよく似ています。
    Retinaの前群交換システムのための交換レンズ群をKlemtがこれらの特許で発案しています。

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    返信
    1. pikipikiさん
      コメントありがとうございます。

      > 1925年の初代Xenonですが、本当に非対称
      > 型なのでしょうか。
      > パテントのDE439556の内容は対称型です
      > (独語なので正確にはわかりませんが…)。
      > また、無一居さんやoldlens.comさんが公開
      > していらっしゃる当時のカタログを見ても、
      > 構成図は基本的に対称型であるように見えます。
      > ただ、絞りの前後で口径が若干違うようです。

      トロニエのドイツ語のパテント(1925年)は前群あるいは後群のみの
      登録ですので、これを前・後群に用いていると考えるのが自然です。
      確かにこれでは、pikipikiさんのおっしゃるとおり対称設計となります。

      しかし、過去のSchneiuderの広告に掲示されているXenon F2
      を物差しで測ると後群側がわずかに小さくなっています。
      つまり、前・後群は完全一致ではありません。

      仮に前・後群が同一設計であると仮定しても、
      後群は前群を相似縮小したものになりますので、
      後群の焦点距離のほうが短くなり、
      やはり対称設計にはなりません。

      このような判断から非対称(構成自体は対称ですが前・後群が同一では
      ないという意味)としてあります。

      しかし、決定打にはかけますよね。
      どこかに文章等で明確に非対称と解説してあれば理想なのですが・・・。

      対称設計の場合、ガウスではコマを抑える観点から
      遠方での撮影には不向きになりますので、製版用等に用途を限定する場合を除き
      一般撮影用としてはメリットがありません。Xenonはもちろん製版用にも
      沢山つくられました。

      やはりXenonは非対称とするのが有力ではないでしょうか(←決定打にかけます)。


      > Kingslake本も見てみたところ微妙な表現でしたが、
      > Xenonが非対称と明言はしていませんでした。
      >エントリの初代Xenonの構成図はRetina-Xenon C 50mm F2
      > のものではないでしょうか。

      このエントリーを書いていた当時に海外の方と情報交換
      をしていた時に教えていただいた構成図です。私自身、
      出所を照合していません。もしかしたら、教えてくださ
      った方がRetina Xenonと混同していた可能性も
      あります(むしろ大いにあります)。

      ありがとうございます。
      広告の構成図を頼りに差し替えたいと思います。


      > このRetina-Xenonの特許はおそらくU.S. patent 2796002
      > やU.S. patent 2824494などで、これらの構成図がエント
      > リの図とよく似ています。Retinaの前群交換システムの
      > ための交換レンズ群をKlemtがこれらの特許で発案して
      > います。

      そうですね。Retina Xenon Cのものに似ています。
      自身でよく確認をとらないといけないと思います。

      とても参考になりました。古いエントリーとはいえ、
      改善できてよかったです。
      今後ともご指導よろしくお願いいたします。

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    2. 返信ありがとうございます。

      後群または前群どちらか片方をスケーリングしているようにも見えるのですが、
      (ヴィネッティング軽減目的で)前群のレンズの口径のみを変えたようにも見えます。
      広告の図でレンズ径が違うのは確認できますが、光軸方向の長さが違うかというと微妙で、なんとも言えません。
      曲率と面間隔が変わっていれば明らかに非対称だと言えますが、
      ヴィネッティング対策に口径を変えただけなら設計思想的には対称型に分類したほうが良さそうです。

      曲率を変えないことで製造コストは下がるはずなので、光学性能上のメリットがなくても
      対称型を維持する理由はあります。特にこのXenonは計4面が平面で、
      コスト削減にも配慮しているように思えるので、可能性はありそうです。
      しかし証拠資料はありませんし、平面多用は設計が楽だからという理由が大きかったかもしれません。
      また、同時代のAstro Gauss-Tacharも構成図を見る限り貼り合わせ面が平面で、
      Opicもパテントで貼り合わせ面が平面なので、Opic以降何らかの理由でダブルガウスの貼り合わせ面を
      平面にする構成がプチ流行しただけ、という可能性もあります。

      ただ、Schneiderの構成図はあてにならないことがある※ので構成図からだけでは正確なことはわかりませんし、
      1925年のXenonが対称型と明言している資料があるわけでもなく、
      spiralさんの返信を読んで、対称型でない可能性も十分あると思いました。
      自分の中ではフィフティフィフティです。


      ※Xenotar F2.8の3枚目のレンズの厚みについて、どう見てもパテントU.S.Patent2683398の図と数値が一致していなかったり、
      同一カタログでも3枚目が厚い図と薄い図がある(http://www.photo-china.net/pub/sc9.htmlの2つの構成図)など…

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    3. コメントありがとうございます。

      ヴィネッティング対策、大いにあり得るかもしれません。曲率等の基本設計はそのままにして、前群側を大きく造るのですよね。その可能性は気付きませんでした。私自身ははじめキングスレークの文脈(非対称であると暗示している)に影響されましたが、この本でもpikipikiさんのおっしゃるように、明確には非対称と言っているわけではないのですよね。このブログで一つの見解を発信しておくと、誰かが証拠を携えて書き込んでくれるかもしれません。今後にご期待ください。

       
      > ※Xenotar F2.8の3枚目のレンズの厚みについて、どう見てもパテント
      > U.S.Patent2683398の図と数値が一致していなかったり、
      > 同一カタログでも3枚目が厚い図と薄い図がある(http://www.photo-
      > china.net/pub/sc9.htmlの2つの構成図)など…


      > 同一カタログでも3枚目が厚い図と薄い図がある

      ほんとうですね。気づきませんでした。厚みが異なると
      負のパワーに差がでますよね。

      以前、Xenotarのエントリーで掲示板に書き込んでくださった方の情報によると
      大判用と中判用では中心解像力が異なるそうです。公式なカタログ記載(MTF曲線)
      です。大判用は広大なフィルムの隅々まで解像力をキープするため、
      中心の画質はある程度セーブしているとのことです。同じF2.8でもモデルごとに
      設計バリエーションが沢山あるということになりますので、
      pikipikiさんのご見解とも整合します。

      ありがとうございます。

      削除
    4. >大判用は広大なフィルムの隅々まで解像力をキープするため、
      >中心の画質はある程度セーブしているとのことです。同じF2.8でもモデルごとに
      >設計バリエーションが沢山あるということになりますので、
      >pikipikiさんのご見解とも整合します。
      なるほど!凹レンズの厚みだけで周辺と中心のバランスをコントロールできるとしたら
      Xenotarはそういう意味でも便利な構成ですね。
      大変勉強になりました。ありがとうございます。

      削除
  19. 研磨と再コーティングを山崎光学さんにお願いしていた
    トロニエクセノンで先日ようやく撮ってきました。
    二線ボケが特徴的ですけど、それもまた魅力的な写りです。
    https://www.flickr.com/photos/83823034@N06/18520911956/
    昔撮ったビテッサのウルトロンですが似てますかね?
    https://www.flickr.com/photos/83823034@N06/9606255400/

    他にも戦前ビオターの豊かな階調や
    https://www.flickr.com/photos/83823034@N06/18724853805/
    蛍光灯がレンズ内に反射して写り込んでるノンコートぶり、
    https://www.flickr.com/photos/83823034@N06/18389560143/

    隅までフラットなヘリオプランなど
    http://nagamochi.info/src/up154474.jpg

    最近エキザクタでのモノクロが楽しいです。
    どれも珍しいレンズではないのですが
    デジでマウントの人はおろか
    フィルムで撮ってる人もめっきり減りましたね。

    皆さんのような分析的なコメントでなくお恥ずかしいですが。
    では。

    返信削除
  20. eraplatonicoさん
    どうも、こんばんは。
    どの写真も上手いですね。流石です。

    古いダブルガウスは背伸びをしたような収差設計のためか、
    ボケが硬いレンズが多いですよね。1枚目、けっこうすきです。

    ヘリオプランは特徴が出ており、
    隅々までフラットで、まるでアニメの画みたいな描写ですよね。

    息抜きができました。ありがとうございます。

    返信削除

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