おしらせ

 
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5月に予定されていたオールドレンズフェスは延期となりました。新しい予定が確定しましたら、お知らせいたします。

2020/03/02

Ichizuka Opt. Professional KINOTAR 50mm F1.4(C mount)



市塚光学の16mmシネマムービーレンズ
Ichizuka Opt. Professional KINOTAR 50mm F1.4
市塚光学工業株式会社(Ichizuka Opt.)は東京都新宿区下落合2丁目にかつて存在した光学機器メーカーです[1]。主力製品は8mm/16mmフォーマットのシネマムービー用レンズで、主に米国と日本に市場供給されました。OEM生産にも積極的に取り組む傍ら自社ブランドのKinotarを製造し、広角から望遠、明るい大口径レンズまであらゆる種類のシネレンズを手掛けるメーカーでした[3]。自社ブランドには広角のWide-Angle KINOTAR、標準レンズのKINOTAR、望遠のKINOTEL、明るいハイエンドモデルのProfessional KINOTARなどがありました。ただし、同社に関する情報は乏しく、文献等をあたっても何一つ有力な情報が見つかりません。雑誌に掲載されている広告をたよりに、中古市場に出回っているレンズを列記しておきましょう[1,2]。これが全てではないかもしれませんので、もし他にもありましたら、お知らせいただければ追加してゆきたいと思います。

Wide-angle Kinotar
1.9/6mm(Dマウント); 1.5/15mm(Cマウント)

Kinotar
1.9/13mm(D); 2.5/7mm(D); 1.9/38mm(D); 1.4/38mm(D); 1.9/25mm(C); 1.9/12.7(C); 1.9/75mm(C) ; 1.9/15mm(C)

Kinotel
 1.5/75mm(C); 2.5/75mm(C); 3.5/75mm(C); 1.9/25mm(C) ; 1.5/38mm(D); 1.9/38mm(D); 2.5/38mm(D); 3.2/38mm(D); 3.5/38mm(D)

Professional Kinotar
1.4/12.5(C); 1.4/25mm(C); 1.9/50mm(C); 1.4/50mm(C); 2.5/75mm(C);  1.4/75mm(C)

今回は最近ヤフオクで手に入れたProfessional KINOTAR(プロフェッショナル・キノター) 50mm F1.4を取り上げます。設計構成は光の反射を見る限り4群6枚のガウスタイプと推測でき、同社のレンズの中では75mm F1.4に次ぐボケ量の大きなレンズです。イメージサークルはフルサイズセンサーこそカバーしていませんが、APS-Cフォーマットは充分にカバーしており、暗角(ダークコーナー)は全く出ません。


Professional KINOTAR 50mm F1.4: 重量(実測) 274g , フィルター径 40.5mm, 絞り羽 10枚, 絞り f1.4-f22, 最短撮影距離 1.5m強, cマウント, 定格イメージフォーマット 16mmシネマフォーマット
 
参考文献・資料
[1]アサヒカメラ 1958年10月広告
[2]Popular Photography ND 1957 4月; 1957 1月(米国)

入手の経緯
レンズは201912月にヤフオクに出品されていたものを競買の末に落札しました。オークションの記載は「レンズにクモリがあるが綺麗なほう。取り付けられた保護フィルターに歪みがあり外れない」とのこと。11月から出品されていたようで、なかなか売れずにスタート価格が11000円まで値下げされていました。私が入札したところ開始価格で落札できました。保護フィルターに歪みということは落下させた経歴があるということですが、肝心の鏡胴や本体のガラスは無傷だったので、落ち方が良かったのでしょう。外れないフィルターをニッパーで切断し除去したところ、本体の鏡胴にダメージは全くありませんでした(ラッキー)。ガラス内のクモリもただの汚れで、軽く拭いたところ完全にクリアになりました。
普通のKinotarはどれも安く手に入りますが、Professional KinotarF1.4クラスは別格で、日本よりも海外での評価が高く、eBayでは高値で取引されています。75mm F1.450mm F1.4は特に珍しいモデルでコレクターズアイテムとなっています。マイクロフォーサーズユーザーならProfessional Kinotar 25mm F1.4はまだ安くてオススメです。

撮影テスト
本来は16mmシネマフォーマットに準拠した設計のレンズですが、今回はAPS-Cフォーマットで試写しまた。本来は写らない写真の四隅を拾うので画質的に乱れるのは当然ですが、ガウスタイプのためか、このレンズは開放でも四隅まで安定感があります。開放ではピント部ハイライトが微かに滲む適度に柔らかい些細な描写ですが、解像感は充分にあります。トーンはとてもなだらかで繋ぎ目がなく、開放付近ではオールドレンズらしい軟調な描写を堪能できます。発色は開放でやや淡くなるものの濁るほどではありません。絞ればフレアは消えスッキリとした透明感のある描写で、発色も鮮やかになります。グルグルボケや放射ボケはなくボケは安定しており、やや硬めの歯応えのあるボケ味で、なだらかなトーンを纏い良い味を出しています。逆光では簡単に虹が出ますので、活かすもよし、フードをつけて抑えるのもよし。フルサイズセンサーこそカバーしませんが、これだけ明るければAPS-Cセンサーでもフルサイズ換算で75mm F2相当の画作りができます。魅力的なレンズだと思います。
 
モデル 彩夏子さん
sony A7R2(APS-C mode)
F1.4(開放) sony A7R2(APS-C mode, WB:曇天)
F1.4(開放) sony A7R2(APS-C mode, WB:曇天)
F1.4(開放) sony A7R2(APS-C mode, WB:曇天)

 
ここまでかなり優等生ですが、逆光での写りはどうでしょう。最初の1枚目(下の写真)はフードをつけた場合ですが、ピント部をフレアが纏い、キラキラとした素晴らしい描写となります。続いてがフードをとった場合の写真です。ハレーションが盛大に発生し、なかなかの面白い画になります。虹が出ることもありました。このレンズはハマります。
 
F1.4(開放) sony A7R2(APS-C mode, WB:日光)
F1.4(開放) sony A7R2(APS-C mode, WB:日光)逆光ではこの通りに虹ありハレーションありの面白い画になります







FUJIFILM X-T20

最後にフジフィルムのX-T20での写真です。コントラストの高い描写であることがわかるとおもいます。四隅での光量の落ち具合がなだらかで、雰囲気ありますね。
 
F1.4(開放) FUJIFILM X-T20(WB:曇空) APS-Cは完全にカバーします。コントラストがいいですね




F1.4(開放) FUJIFILM X-T20(WB:曇空)縦写真を2枚貼り合わせました。ボケには安定感があります
   

4 件のコメント:

  1. ご無沙汰しております〜、いつもブログ更新楽しみにしています!

    現在は手元にありませんが、以前、CマウントのKINOTEL 1inch F1.9を所有していました。10年位前の事なので詳細は覚えていませんが、過去にやっていたブログ記事に、その1インチKINOTELをアップしてありましたので、リンク貼っておきます。
    http://hokkorihokorin.blog26.fc2.com/blog-entry-15.html
    その後かなりの数のCマウントシネレンズを見てきましたが、このレンズに出会ったのはコレが最初で最後だったので、結構レアなレンズだったのかもしれません。

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    1. いつもブログの方、参考にさせていただいております。

      KINOTEL 1inch F1.9の情報ありがたいです!

      望遠がKINOTELだと思っていましたが、
      ブログに掲載されているレンズはCマウントでしたでしょうか?
      Dマウントですと望遠という位置づけも理解できます。

      KINOTAR 1inch F1.9(Cマウント)は資料に記載がありましたので
      これとスペックが被るというのも事実ですと興味深いです。

      ありがとうございます。

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  2. まだPentaxQも出る前でDマウントには見向きもしていなかった頃で、m4/3にCマウントアダプターで使っていたレンズですので、確実にCマウントでしたが、KINOTELのTELがTELEの意味を含んでいるとすると、元々Dマウントの望遠用に設計したものをCマウントでも発売した可能性もありますね。
    ZUNOWの38mm F1.1も8mm用Dマウントレンズですが、16mm用Cマウントのものも存在しますし。

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    1. 23
      ありがとうございます。
      とりあえす、もともとCマウントであると仮定して
      リストに加えることにします。
      市塚光学は情報が少ないなで、とても助かります。

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