おしらせ


2011/01/13

PORST TELE 135mm/F1.8 MC AUTO E (M42)


1977年登場、日本製レンズの優れた性能を印象付けた
超大口径望遠レンズ

  PORSTはドイツ・バイエルン州で創業した通信販売チェーン大手のPhoto PORST社がPorst Flexという名の一眼レフカメラに装着するレンズとして販売した製品ブランドだ。同社は製品の自社開発や生産を行うことはなく、他の製造メーカーからOEM調達した製品をチェーン店にて通信販売する形態をとっていた。PORSTブランドにはCOSINAやSIGMAなど日本のレンズメーカーがOEM供給した製品が多い。一部の製品には富岡光学が供給していたとの噂もある。
今回入手したPORST 135mm/F1.8は1977-1982年代に東京都練馬区にあった三竹光学が製造しOEM供給した日本製の高速中望遠レンズである。開放絞り値がF1.8と明るく、極めて大きなボケ味を楽しむことができる。製品が発売された当時は標準レンズでさえ、F1.8よりも明るいものはまだ珍しい時代であった。135mmの中望遠レンズをF1.8で実現した本品の登場は多くのカメラマンの度肝を抜いたに違いない。
鏡胴は金属製でズシリと重く、フィルター径は何と82mmもある。ガラス面に施された光の反射防止膜はマルチコーティング(Plura-Coat)である。対応マウントはM42に加えPENTAX-Kが用意されていた。中身の同じ姉妹ブランドにはSpiratone, Computar, Kenlock, Formula 5, Eyemik, Apollo, Accura, Varo, Vivitar, Weltblickなどもある。何種類もの覆面を被り、世界中にOEM供給されていた八方美人だ。構成は安定感のある穏やかなボケ味を特徴としているゾナー型(4群5枚)である。
絞り表示:F1.8-F16、最短撮影距離1.7m、フィルター径82mm
光の反射防止膜はマルチコーティング 重量は787g
鏡胴にはオート/マニュアルの切換えスイッチがある。後玉径が大きいため、マウ
ントネジの凸部がたいへん薄く造られている。絞り制御ピンが凸ネジの頂上のギ
リギリの幅から何とか突き出している格好だ。こういう精巧な造りを見ると、思わ
ずドキッとしてしまう(←先端恐怖症という意味ではございません)
★入手の経緯
 本品は2010年10月にドイツ版eBayを介して、ドイツの中古カメラ専門業者から179ユーロの即決価格で落札購入した。オークションの記述に日本までの配送方法の指定がなかったので、45ユーロもするDHLを避け、出品者にはドイツポスト(17ユーロ)での配送をリクエストした。支払総額は送料込でたったの196ユーロ(約2.2万円)であった。本品のeBay相場は300ユーロ程度、国内でも4万円はする高級品だ。この業者のオークションの説明は簡素で、「グッド」だの「TOP」だのと独自の評価が付けられていた。本品には「TOP」との評価があり、写真を見る限り状態は良さそうだったので迷わず購入に踏み切った。届いた品は前玉の表面に軽度のクリーニングマークがパラパラあったが、実用品としては問題のないレベル。特価で購入したのだから良い買い物であった。

★撮影テスト
大口径なレンズになると、一般的には開放絞りでの結像が球面収差の増大でフワフワ、階調表現も軟化しポワーンと眠たく解像感のない結果になってしまうのがよくあるパターンだ。しかし、そこは望遠レンズ。無理の無い設計が可能であり、F1.8の標準レンズと比較しても、より高いイメージクオリティが期待できる。実際に使ってみると、開放絞りでもピントの芯はしっかり出るし、案外スッキリと写る。拡大表示に耐えるほどの解像力は無いが、ピント合わせを丁寧におこなえば開放絞りでも何とか実用的なシャープネスを得ることができる。距離によって僅かにグルグルボケが出ることはあるものの、1段絞れば素直なボケ味となる。晴天下で撮影すると開放絞り付近ではハイライト部に何やら薄らとハロが纏わりつくので、不都合ならば2段以上(F4よりも深く)絞ったほうがよい。コントラストは向上し球面収差も大人しくなるので、シャープネスは拡大表示にも耐えうる高いレベルになるだろう。ボケ味は思っていた以上に滑らかで、2線ボケが気になることはない。色ののり具合はとてもよく、濃厚とまではいかないが、緑や衣服の色をビビットに再現できる。デジタルカメラ(Sony NEX-5)と銀塩カメラ(PRO800Z/Uxi-200)の双方で撮影テストを行ったところ、デジタルカメラの方が色の再現力が高く、暗い場所を撮影する際にも安定していた。これに対し、フィルム撮影は暗い場所でカラーバランスが不安定化し、緑がかってしまうことがあった。階調表現については光量の多い条件下や、露出補正をプラス調整する必要がある際に大きな差があらわれた。フィルム撮影の結果は暗部から明部に至るまで階調が広く分散しているのに対し、デジタルカメラでは階調表現がシャドー域に向かって引っ張られる傾向があった。
一般にデジタル撮影はフィルム撮影に比べ、シャドー部の階調表現に強く、黒つ潰れが起こりにくい。反対にハイライト部の階調表現が苦手で、白トビが起こりやすい。デジタルカメラの露出調整にはこのあたりの優劣を意識した高度なアルゴリズムが組まれているのかもしれない。
F1.8 銀塩(Super Uxi-200) ボケ味はたいへん滑らかだ

F1.8 銀塩(Super Uxi-200) ガサガサした被写体をアウトフォーカス部に置き収差によるボケ味の乱れ具合を調べてみた。僅かにグルグルボケが出るているが乱れは少ない。衣服や背景の緑など色がよく乗っている
 
F8 銀塩(Super Uxi-200) 暗所におけるスローシャッターでの撮影結果。黄色っぽいのは光源の色による影響。ここまで絞ると大変シャープだ。背景の周囲暗部が少し青っぽいのは、光量不足による低照度相反則不軌の影響で、露出補正を更にマイナス側にかけた別ショットでは、カラーバランスが更に激しく乱れてしまった。この木像は閻魔大王の従者で、三途の川を渡る亡者から罪の軽重によって衣服を剥ぎ取ったという地獄の役人、奪衣婆(だつえば)だ
F1.8 銀塩(Pro800z) フィルムをフジカラーのPRO800Zに変えてみた。PRO800Zはシャドーがストンと落ちることを特徴とするフィルムであり、階調変化のエッジがきいた解像感の高い描写が得られる。上の撮影結果も硬調で、シャドー部の黒潰れが顕著だ
F2.8 digital(NEX-5; AWB) こちらはデジタル撮影の結果。銀塩撮影とくらべなんか画造りが違うことに気付くであろう。この差異について、以下でもう少し詳しく踏み込んでみる

F1.8 左:digital(NEX-5; AWB)/右: 銀塩(Uxi Super 200)
被写体に白の要素が多いので、通常は露出補正をややプラス側に調整しなければならないところだ。しかし、ここはあえてカメラ任せにオートで撮影してみた。すると、フィルム撮影よりもデジタル撮影の方が輝度分布が暗部に引っ張られ、まるでデジカメが白トビを回避したがっているかのように過剰反応を示した

F2.8 上段 digital(NEX-5; AWB) /下段 銀塩(Uxi Super 200):こちらは屋外での撮影結果の比較だ。Uxi super-200のフィルム特性なのかやや黄色みが強い。光量の多い条件になると、デジタルカメラによる撮影結果のほうが階調表現がシャドー側に引っ張られている
 
F1.8 上段 digital(NEX-5; AWB) /下段 銀塩(Pro800z):発色についてはデジタル撮影の方がカラーバランスが安定しており、色再現性が高い。上段のデジタル撮影の結果内にある一番右のガチャガチャ箱の白いプラスティック部に注目して欲しい。下段の銀塩撮影の結果では、これが緑色に変色している

F1.8 左 digital(NEX-5; AWB) /右 銀塩(Fujicolor Pro800z):今度は屋外。夕方の日陰(光量の少ない条件下)での撮影結果だ。やはり銀塩撮影の結果の方が緑がかった発色となり、カラーバランスが安定しない

F1.8 digital (NEX-5; AWB) APS-Cフォーマットのデジカメで使用する場合、最短撮影距離ではこれくらいの撮影倍率になる
F2.8 NEX-5 digital(AWB)
今回の撮影テストではF1.8の開放絞りでの撮影を意識してみた。ピント面は思った以上にシャープでボケも素直、実用的な画質である。

★撮影機材
銀塩 : PENTAX MZ-3 + PORST Tele 135/1.8 MC + FujiColor Pro800Z / Uxi super 200 +自作フード(ボール紙+ゴムでパッチン)

digital : sony NEX-5 + PORST Tele 135/1.8 MC  + 自作フード

11 件のコメント:

  1. 待ってました~

    新年を飾るのにふさわしい内容だと思います。

    先ずレンズについて
    135mm F1.8このクラスにはSpiratoneとかペンタックスからも高性能レンズがでてますね。

    ぼくもSpiratoneをゲットしようと考えたこともありました。

    >面白味に欠ける。安定、安全、安心・
    そうなんですよ、こういう問題に直面するんですよね~
    要はバランスが取れすぎている。表現(描写)として面白いかどうか・・・となるとね~。
    優等生レンズであれば、素直にAFレンズを買えばよい・・・

    オールドレンズとしての立ち位置がビミョー。
    同感!

    だから、135m F1.8の大口径レンズの購入を見合わせました。

    でもまあ、3万円なら・・・高くないし。こうした優等生レンズを使ってみて、NEX-5とフィルムの違いも解かったわけだから、授業料としては高くないと思いますよ。

    デジタル1眼について
    >デジタルカメラによる撮影結果のほうが階調表現がシャドー側に引っ張られている
    NEX-5に限らず、一般的に当てはまることだと思います。
    そういう意味では、ズミクロンやアンジェニューなんかはデジタルでもイケてることになりますね。

    だから最近は、様々な作例を参考に、このレンズだったらこういった描写や表現にに向くのではないか? を考えてレンズの購入を検討しています。

    また、レンズとデジ1の相性も考慮に入れるようになりました。
    基本、フルサイズは画素ピッチに余裕があるからどれでもOK。

    APS-Cなら600万画素~1500万画素までが無難な選択でしょうね。
    今回Eos40D(1000万画素)の極上美品(1200ショット)を安く購入しました。
    40Dではレンズのポテンシャルの差が出やすいような印象があります。アンジェニューでもK-xと40Dでは40Dの方がハロ出まくりみたいな・・・

    デジタルの機体は写真撮影でのフィルムに相当すると思います。40Dの中古ならPORST Tele 135/1.8 MC 1本の値段で買えると思いますよ。

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  2. こぎとさん


    > 待ってました~
    > 新年を飾るのにふさわしい内容だと思います。

    今年もよろしくお願いいたします。
    私どうも1月の動きが鈍くブログを書く筆が進みません。


    > 先ずレンズについて
    > 135mm F1.8このクラスにはSpiratoneとか
    > ペンタックスからも高性能レンズがでてますね。
    > ぼくもSpiratoneをゲットしようと考えたこともありました。

    他のブログにある俗説ですが、
    PENTAXは本品を参考に開発されたようです。

    PENTAXのほうが描写は現代的との記述をよく目にします。


    >優等生レンズであれば、素直にAFレンズを買えばよい・・・

    70年代~90年代は「魅力の谷」とでも申しましょうか、
    中途半端に高性能なレンズが数多くあるんですよね。対して
    50~60年代にようやくガウスタイプが実用的な描写力を獲得
    したころのレンズには、魔力といいますか妙な力強さを感じるこ
    とが多々あります。周辺部の画質の妖しさが、中央部の生き生きとし
    た描写を演出するのに一役かっているのだろうと思うのです。
    トロニエ博士のレンズ(NOKTONなど)がいまだに根強いファンに
    支持されているように、ガウスタイプのレンズが、まだ描写力的に
    過渡期にあったという時代背景が、沢山の銘玉を生み出す切っ掛け
    になったのだと私自身は思っています・・・おっと関係ない話に
    脱線していましたね。スミマセン。


    >だから、135m F1.8の大口径レンズの購入を見合わせました。

    私のPORSTも既に他の人の手に渡りました(笑)。



    > でもまあ、3万円なら・・・高くないし。こうした
    > 優等生レンズを使ってみて、NEX-5とフィルム
    > の違いも解かったわけだから、授業料としては高く
    > ないと思いますよ。

    ・・・でへへ、2.2万円でございます!
    私のPORSTは奇跡的な値段でした。ドイツ版eBayは穴場なんですかね?



    > デジタル1眼について
    > デジタルカメラによる撮影結果のほうが階調表現がシャドー側に
    > 引っ張られているNEX-5に限らず、一般的に当てはまること
    > だと思います。
    > そういう意味では、ズミクロンやアンジェニューなんかはデジタル
    > でもイケてることになりますね。

    なるほど。以前、こぎとさんが「オールドレンズパラダイス」の本の
    中の一節を引用しておっしゃっていたのは、こういう事だったの
    ですね。身をもって体験学習でき、よくわかりました。


    > また、レンズとデジ1の相性も考慮に入れるようになりました。
    > 基本、フルサイズは画素ピッチに余裕があるからどれでもOK。
    > APS-Cなら600万画素~1500万画素までが無難な選択でしょうね。


    私はα900の後継が発売されることに期待していますので、
    どうにか画素数が少なめに造ってもらえることを
    祈っています。


    > 今回Eos40D(1000万画素)の極上美品(1200ショット)を
    > 安く購入しました。40Dではレンズのポテンシャルの差が
    > 出やすいような印象があります。アンジェニューでもK-xと40D
    > では40Dの方がハロ出まくりみたいな・・・
    > デジタルの機体は写真撮影でのフィルムに相当すると
    > 思います。40Dの中古ならPORST Tele 135/1.8 MC 1本
    > の値段で買えると思いますよ。


    なるほど、40DはK-xよりも更にオールドレンズ向きと
    いうことですね。同じショットを複数のカメラで比較した写真を
    探してみようと思います。おすすめのWEBサイトが
    ございましたら、ご教示いただけると幸いです。

    それにしても安くなりましたね。40Dなんて、ついこないだまで
    現役選手であったという印象が頭の中に強く残っています。

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  3. SPIRAL さん

    >おすすめのWEBサイトが
    いや~ これといってまとまったのはまだ見つけていません。

    ただし、フルサイズの撮像素子面積ははAPS-cの2倍で、
    これまで見た感じでは
    こうったブログレベルの大きさで鑑賞して、非常に透明感のある絵は 5DやAPS-Cの600万画素の画素ピッチのもので、解像感がもう少しあるのはもうチョッと画素ピッチの細かいものの絵APS-C(1200万画素)、またAPS-C(1500万画素)では、ライカRやロッコールなどの完成度の高いレンズでは良い感じの絵になる傾向があるように見えます。

    たしかに、NEX-5、PORST Tele 135/1.8 MC になって、色ノリ(発色)良くなっていると思います。やはりこの辺の画素ピッチになると高性能レンズ向きになるのかもしれませんね。


    逆にレンズに対して、画素ピッチに余裕がありすぎると、透明感がどのレンズでも出る(あるいは出すぎ?)んじゃないかな~。

    5D+スーパータクマー55mm F1.8の作例があって、確かに透明感のある絵素晴らしい絵だったんですが、これをもってスーパータクマー55mm F1.8の絵にしてしまうのは、どうなんだろう・・・とも思いました。こういう撮り比べのサイトの場合、特にそうですよね。レンズに特徴的な”違い”を出すのが主眼な訳ですから。

    つまり、音楽で言えば、ビリーホリデイやサラボーンの曲を、全てエリザベート シュワルツコップのドイツリート向きの声で歌ってしまうような・・・

    これが本当だとすると、カメラレベルでのレンズの”優等生化”が起こるわけで・・・

    やはり、レンズの持ち味を生かすようなカメラの画素ピッチであり、画像エンジンじゃないかな~と思うんですよね。オールドレンズの描写に拘るんであれば。

    そういう意味もあって、僕はカメラを使い分けています。

    5D2は主にライカRマウント用、40D,K-x, 100KDsで
    M42を使いまわすようにしてます。

    また、実際問題として、K-xはいつでも買えるけど、40Dの超美品はなかなか市場に出てこないんですよ。ですから今回購入に踏み切りました。

    レンズの評価ポイントは、発色、諧調、コントラスト、解像度ですが、オールドレンズの”味”は、これ以外の項目でも決まるんじゃないか・・・とも思っています。

    ですから、カメラ側ではレンズの素顔をあまり変えないようなデジタルカメラが、ジツハ良いんではないか・・・とも考えているんですよね。

    上記のサイト、二人で時間をかけて探してみましょう。レタッチについてはどうなっているか不明ですが、いろいろ解かるかもしれませんね。

    返信削除
  4. >70年代~90年代は「魅力の谷」とでも申しましょうか・・・
    ナルホドね~。
    SPIRAL さんの考察は説得力がありますね。
    オールドレンズに関する著作は色々ありますが、こういった”本音”に近い部分は書きにくいでしょうからね。こういったブログではそうした本音を書いちゃってください。貴重な記事だと思いますよ。

    返信削除
  5. こぎとさん
    こんばんは


    >逆にレンズに対して、画素ピッチに余裕がありすぎると、
    >透明感がどのレンズでも出る(あるいは出すぎ?)んじゃ
    >ないかな~。

    D3では確かにそれを感じます。このブログで用いているレンズ
    の写真は、大方がD3で撮影したものです。NEX-5よりも明
    らかにヌケがよく、透明感が出るので、好んでD3を用いていま
    す。NEX-5とは写りがぜんぜん違うのです。


    > 5D+スーパータクマー55mm F1.8の作例があって、確かに
    > 透明感のある絵素晴らしい絵だったんですが、これをもって
    > スーパータクマー55mm F1.8の絵にしてしまうのは、
    > どうなんだろう・・・とも思いました。
    > こういう撮り比べのサイトの場合、特にそうですよね。
    > レンズに特徴的な”違い”を出すのが主眼な訳ですから。
    > これが本当だとすると、カメラレベルでのレンズの
    > ”優等生化”が起こるわけで・・・

    このブログではレンズの評価を行う際に「相対評価」という
    観点に力を入れています。世にある多くのレンズブログを見
    ていていつも不満だったのが、レンズの性質をカメラマンの
    主観で述べていることでした。「このレンズは青が良くでる」
    とか「シャープネスが高い」などと言われても、絶対基準が
    欠如しているため、ブログを見ている人には何のことやら
    わからないのです。こぎとさんのおっしゃるように、レンズ
    の評価がカメラの性質に左右されていたのでしたら、相対評
    価を行う方法以外でしか、レンズの本質を述べることができ
    なくなります。

    しかし、ズミクロンはどんなカメラでもズミクロンらしさが
    わかります。このように強烈な個性を持つレンズはいいとし
    ても、それ以外のレンズでは評価が難しく微妙なので、相対
    評価は必要不可欠ですよね。


    >やはり、レンズの持ち味を生かすようなカメラの画素ピッチであり、
    >画像エンジンじゃないかな~と思うんですよね。
    >オールドレンズの描写に拘るんであれば。
    >そういう意味もあって、僕はカメラを使い分けています。

    >5D2は主にライカRマウント用、
    >40D,K-x, 100KDsでM42を使いまわすようにしてます。

    カメラの使い分け方について、明確な認識を整理し提示できれば、
    大変有意義な情報になりますね。このブログではカメラを統一し
    レンズを使い分けるという観点をベースにレンズの性質を調べて
    いますが、反対に一本のレンズを複数のカメラで使用し、カメラ
    の性質やオールドレンズとの相性を調べるといった事が重要であ
    るとこぎとさんの指摘から学びました。とても重要なことなのだ
    と思います。このブログとは対極的な観点になると思います。


    >また、実際問題として、K-xはいつでも買えるけど、40Dの
    >超美品はなかなか市場に出てこないんですよ。ですから今回
    >購入に踏み切りました。

    40Dはヒット商品でしたので、市場に多く出回るかとおもいきや、
    実は手放す人が少ないのかもしれませんね。これが出た当時は
    画素ピッチに余裕があり、高感度に強いカメラとして、
    NIKON40Dとともにもてはやされたのを覚えています。

    > レンズの評価ポイントは、発色、諧調、コントラスト、解
    > 像度ですが、オールドレンズの”味”は、これ以外の項目
    > でも決まるんじゃないか・・・とも思っています。

    各収差の残存具合でしょうかね。


    > ですから、カメラ側ではレンズの素顔をあまり変えないよう
    > なデジタルカメラが、ジツハ良いんではないか・・・とも考
    > えているんですよね。上記のサイト、二人で時間をかけて探
    > してみましょう。レタッチについてはど
    > うなっているか不明ですが、いろいろ解かるかもしれませんね。


    そうですね。何か分かりましたら、お知らせしますね♪
    今後もこぎとさんと、いろいろと情報交換できれば幸いです。



    >>70年代~90年代は「魅力の谷」とでも申しま
    >しょうか・・・
    >ナルホドね~。
    >SPIRAL さんの考察は説得力がありますね。
    >オールドレンズに関する著作は色々ありますが、
    >こういった”本音”に近い部分は書きにくいで
    >しょうからね。 こういったブログではそうした
    >本音を書いちゃってください。貴重な記事だと思いますよ。

    こういう記事を書くと、シグマの技術者の方々には
    申し訳ないという気持ちがこみ上げ、ちょっと心が痛みます。
    だからといって止めるつもりはありませんが(デヘヘ・・・)

    でも、シグマの現代のレンズや社風は大好きです。本ブログ
    でカメラやレンズを撮影時する際には、D3とともにシグマの
    AF50mm/F2.8 EX MACROを用いています。
    愛用しています♥♥♥

    返信削除
  6. 僕もシグマの50-500mmズーム OSなしの旧タイプを使っています。光学特性はキャノンの100~400mmのLズームより優れています。航空機撮影でははずせないレンズです。

    あ~こことは関係ないですが、ニコンのD300を改造して天体望遠鏡の対物レンズ(絞り固定)でAF可能になりました。

    これで35mm換算で1000mm前後が手持ちAF撮影可能となりました。いままではペンタックスを使ってAF化させてたんですが、AF精度(AF51ポイント)と連射機能の向上を意図しての改造です。

    結局、カメラもレンズも、どんな撮影意図に向いているか? なんですよね。

    返信削除
  7. >あ~こことは関係ないですが、ニコンのD300を改造して
    >天体望遠鏡の対物レンズ(絞り固定)でAF可能になりました。
    >これで35mm換算で1000mm前後が手持ちAF撮
    >影可能となりました。いままではペンタックスを使って
    >AF化させてたんですが、AF精度(AF51ポイント)
    >と連射機能の向上を意図しての改造です。

    天体撮影では無限遠への合焦で十分かとおもってい
    ましたが、どうやら、ピント合わせをするのですね。
    意外でした。


    >結局、カメラもレンズも、どんな撮影意図に向いているか?
    >なんですよね。

    そうですね~♪

    ところで、発色についてお尋ねしたいことが1つ
    あるのですが、それは、Helios 44を使っていて
    感じたことです。開放絞りで撮影した場合と絞った場合で、
    色の出方が異なるのです。オールドレンズでは
    今までよく遭遇してきた現象なので、
    良くあることなのかもしれません。

    こぎとさんはオールドレンズを使用していて、同じような
    経験をされたことはありますでしょうか?
    このあたりの発色の変化を理解するヒントのような
    もの(あるいは答え)をご存じありませんでしょうか?

    開放絞りでは黄色みが増し、絞る程にあっさりと
    ニュートラルになります。

    返信削除
  8. >開放絞りでは黄色みが増し、絞る程にあっさりと・・・
    これはフィルム? それともNEX-5??

    作例を示してもらえると、助かるよね。

    絞り値による発色変化はあまり注意しなかったけど、デジカメ(5D2など)ではAVモードでも露出は変わるよね。しかし、このことは既出だし・・・

    絞り値というよりレンズに入る光の絶対量、これによって発色がコロッと変わることは良くあるよね。

    この光量の変化を絞ることによって生み出しているんじゃないかな~

    返信削除
  9. >作例を示してもらえると、助かるよね。

    不躾な質問で申し訳ありませんでした。
    参考程度にご覧いただくだけで充分です。

    http://picasaweb.google.com/109127291937875979827/F2F4?authkey=Gv1sRgCIC07q7q3974fA&feat=directlink

    玉ねぎの作例はISCO WESTRONはデジカメ(EOS kiss x3)、
    ベンチはHELIOS 44でフィルムによる作例です
    FLEKTOGON 35/2.8でも同様な傾向を検知しました。

    >絞り値による発色変化はあまり注意しなかったけど、
    >デジカメ(5D2など)ではAVモードでも露出は変わ
    >るよね。しかし、このことは既出だし・・・


    露出変化というよりは明らかに色なんです。


    > 絞り値というよりレンズに入る光の絶対量、
    > これによって発色がコロッと変わることは
    > 良くあるよね。
    > この光量の変化を絞ることによって生み出して
    > いるんじゃないかな~
     
    そうなのですが光量の変化が色の変化を生みだす
    仕組みがどうもよく見えないのです。
    現代のレンズではあまり見ない変化なので、
    まえから気にしていたのですが、
    話題として取り上げられそうな方が
    今までいませんでしたので。。。。

    内面反射の絶対量が関係しているのかなぁ
    なんて想像しているのですが今だ分からないままです。

    変な質問を投げてしまい、ゴメンナサイ。
    スルーしてください。

    返信削除
  10. こんばんは~

    作例拝見しました。確かに玉ねぎでもベンチでも発色が同じ向きの変化があるよね。

    内面反射・・・う~ん フィルムの方が顕著なようにもみえるし、色調の変化だけど、コントラストを落とすような変化ではないような・・・

    でもこの現象は実在するよね。
    まず、定性的な現象論で押さえるしかないのかな~

    チョッと思いつかないな~ 現段階では。

    いずれにせよ検証するしかないので、
    1)RGBのどの成分が変化しているか、を確かめる。

    2)様々なレンズで1)を解析する。このときレンズ構造にも着目してこの比較を実施する。例えば内部反射の大小で1)がどのように変わるか・・・

    コントロールに現代のデジタルレンズを使って、データを貯めるのかな~

    返信削除
  11. こぎとさん
    こんばんは

    経験則として開放絞りで色の変化が起こりやすいレンズと、
    あまり変わらないレンズがありますので、長期計画でこの問題を追及するためのデータを蓄積しておこうと思います。
    コメントありがとうございます。

    返信削除

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