おしらせ


おしらせ

2018年6月13日(水)~6月24日(日)にナダールで行われる「オールドレンズ 女子・男子展」に
オールドレンズ女子部からも4名が出展します。

2018年6月30日
オールドレンズ写真学校@多摩動物公園
ただいまキャンセル待ちのみ受け付けているそうです。

2018/06/17

Additional Info. for Fuji Photo Film X-Fujinon 55mm F2.2(Fujica X-mount)




補足記事:ウナータイプの生き残り
Fuji Photo Film, FUJINON 55mm F2.2

以前、本ブログで扱ったフジノン特集の中で、私が一番のお気に入りだったFujinon 55mm F2.2について、補足情報を流します。以前の記事はこちらです。
https://spiral-m42.blogspot.com/2015/12/fuji-photo-film-x-fujinon-55mm.html

ブログで取り上げたときは二束三文で売られていた安いレンズでしたが、今は値上がりし、何と10000円くらいの相場で取引されています。驚きました。
このレンズの設計構成は私自身が長い間スピーディックタイプだと思い込んでいたのですが、これがどうも誤りであることに最近になって気が付きました。よく見ると20世紀初頭に姿を消したウナー(UNAR)タイプの生き残りではありませんか。UNARについては本ブログにも過去の記事(こちら)があります。
https://spiral-m42.blogspot.com/2013/08/ekrauss-paris-unar-zeiss-145mm-f47-and_12.html

下図は左がFUJINON 2.2/55の構成図で右がUNARの構成図です。こんな設計構成のレンズが最近まで作られていたなんて・・・。まるで、タスマニアンデビルに出会ってしまった感覚です。なんてことでしょう!



フジノンの画質が四隅まで安定しているのはUNARの形質を引き継いでいるからです。なお、このレンズは背後にハッキリとしたバブルボケが出ていました。UNARの口径比はF4.5でしたが、Fujinonでは各レンズエレメントを分厚く設計することでパワーを稼ぎ、F2.2の明るさを実現しています。あくまでマニア向けの情報ですから、民間人はスルーして下さい。

2018/05/27

KMZ PO70 22mm F2.8 for KONVAS(OCT-18 mount)



レニングラード生まれ、クラスノゴルスク育ちの
35mmシネマムービー用レンズ  PART 4
このスペックのレンズが欲しかった!APS-Cセンサーにジャストフィットできる広角シネレンズ
クラスノゴルスク機械工場 PO70(RO70) 22mm F2.8
PO70はモスクワのクラスノゴルスク機械工場(略称KMZ)とレニングラードのLENKINAPファクトリー(後に合併しLOMOを形成)が1950年代後半から1960年代にかけて市場供給したフレクトゴンタイプの広角レトロフォーカス型レンズです。このレンズはロシア版アリフレックスと呼ばれる35mm映画用カメラのカンバス(KONVAS)に搭載する交換レンズとして開発されました。コンピュータによる自動設計法がまだ普及していない1950年代に、映画用レンズに求められる高い画質基準をクリアできる、明るい広角レンズを設計することは至難の業でした。特に難しかったのはモヤモヤとしたフレアの原因であるコマ収差を補正することです。明るい広角レトロフォーカス型レンズの中では、当時VEB Zeiss Jena社(旧東ドイツ)のフレクトゴンだけがコマ収差を有効に補正できる唯一の存在でしたので、ロシアでもフレクトゴンの設計構成を採用した広角レンズが数多く作られました。
PO70の魅力はイメージサークルがAPS-Cフォーマットにピッタリフィットし、なおかつ22mm(実効値は21.1mm)というたいへん魅力的な焦点距離を持つところです。これは35mm判換算で31.7mmの広角レンズに相当する焦点距離なので、スナップ撮影や風景には使いやすい画角です。高い需要があるにも関わらずオールドレンズでこのスペックを探そうとしても、簡単には見つかりません。これは、APS-C相当のイメージフォーマットをサポートするレンズが、PEN-Fなどハーフサイズカメラの交換レンズとシネレンズなどの分野に限られていたからです。ミラーレスAPS-C機を使うオールドレンズユーザーなら、今こそ35mm映画フォーマットのシネマムービー用レンズに目を向ける時ではないでしょうか。
PO70の構成図:GOI Catalog Objective 1970に掲載されていた構成図をトレーススケッチした。設計構成は5群6枚のフレクトゴンタイプで、ビオメタールの前方に大きな凹メニスカスを配置しバックフォーカスの延長をはかったレトロフォーカス型(逆望遠型)のレンズです



KMZ製PO70の生産は1960年代も続きますが、LENKINAP製の個体は短い期間に少量が生産されたのみで、直ぐに後継モデルのOKC1-22-1 22mm F2.8にモデルチェンジしています。OKC1-22-1については本ブログでもこちらで取り上げており、レンズ設計の一部が見直されPO70よりもシャープネスの向上が図られました。このモデルはLENKINAPファクトリーがLOMOに合流した後も生産が継続され、ソ連の社会主義体制が崩壊した1991年12月以降も作られていました。軟調でクラシカルな写りを求めるならばPO70、現代レンズに近いシャープネスと鮮やかは発色を求めるならばLomo OKC1-22-1だと思います。
 
入手の経緯
流通量は多くはありませんが、探せば確実に見つかるレンズです。eBayでは200~250ドル程度で取引されています。私はウクライナのセラーからeBayを介して2本の個体を1本は190ドル、もう一本は240ドルで手に入れました。1本目の個体は前玉に軽いコーティングのヤケがみられ、2本目は薄い吹き傷が前玉に1本見られましたが、双方とも実用的には全く問題のないコンディションでした。2本ともブログ用に使用したのちオールドレンズ写真学校の参加者の方に譲渡しました。


KMZ PO70 22mm F2.8: KONVAS(COT-18)マウント, 絞り羽 6枚, 絞り F2.8-F16, 最短撮影距離 (定格) 1m, 設計構成 5群6枚フレクトゴン型, 重量(実測) 135g,  フィルターネジ 64mm

デジタル一眼カメラで使用する方法

レンズは映画用カメラのカンバス前期型が採用しているOCT-18マウントです。eBayではOCT-18マウントのレンズをミラーレス機各種で使用するためのアダプータが市販されています。私は接写もできるようレンズをライカMマウントに変換し、ヘリコイド付アダプーターで使用したかったのですが、OCT-18 > ライカMアダプターの市販品は存在しません。いつものように自分でライカMマウントに改造して使用することにしました。使用する部品の組み合わせさえわかってしまえば、小学生にもできる簡単な改造です。
 
撮影テスト
設計は高性能なフレクトゴンタイプなので開放でも描写性能は安定しています。フレアが目立つのは写真の四隅のみで、中央はスッキリとヌケがよくシャープでした。流石にレトロフォーカス型ともなれば光量落ちはなく、画面全体に均一な明るさか得られます。後継製品のokc1-22-1は現代レンズに近いたいへんシャープなレンズでしたが、PO70には軟調でクラシカルな性質が残っています。コーティングの性能にも改良の余地があったのでしょう。屋外で空に向けて撮影すると軟調さが引き立ち、発色があっさり気味になります。後継モデルで派手に見られた虹のハレーションはこのモデルでは大人し目でした。

★SONY A7R2(APS-Cモード)での撮影★
注意
フルサイズ機で使用する場合には大きくケラれます
F2.8(開放) sony A7R2(WB:日光, APS-Cクロップモード)
F2.8(開放) sony A7R2(WB: 白色蛍光灯, APS-Cクロップモード)


F2.8(開放) sony A7R2(WB:日光, APS-Cクロップモード)

F4 sony A7R2(WB:日光, APS-Cクロップモード)
F5.6 sony A7R2(WB:日光, APS-Cクロップモード)
F5.6 sony A7R2(WB:日光, APS-Cクロップモード)
F5.6 sony A7R2(WB:日光, APS-Cクロップモード)

F8 sony A7R2(WB:日光, APS-Cクロップモード)



F5.6 sony A7R2(WB:日光, APS-Cクロップモード)
F5.6 sony A7R2(WB:日光, APS-Cクロップモード)


F5.6 sony A7R2(WB:日光, APS-Cクロップモード)
F5.6 sony A7R2(WB:日光, APS-Cクロップモード)















★FUJIFILM X-T20での撮影テスト★
ホワイトバランスをオートにしているので、色味はソニーの時と比べだいぶ異なります。

F5.6  Fujifilm X-T20(AWB)

F5.6  Fujifilm X-T20(AWB)



Fujifilm X-T20(AWB)
F5.6  Fujifilm X-T20(AWB)
F8 Fujifilm X-T20(AWB)