おしらせ


2020/05/05

試写記録: SANKYO-KOKI KOMURA 105mm F2.5 (M42 mount / Komura Uni M48/0.75 mount)

F2.5(開放)sony A7R2(WB: 日陰)シャープで線太の力強い描写です。背後のボケは柔らかく綺麗な拡散です

F2.5(開放)sony A7R2(WB: 日陰)距離によっては少しグルグルボケが出ます。新型コロナウィルスによる外出自粛期間のため、写真作例が少ししかありません・・・

試写記録:これもあれもエルノスター!三協光機の望遠レンズ
SANKYO-KOHKI KOMURA 105mm F2.5(M42 mount)
三協光機の明るい望遠レンズは海外で人気があり、珍しいエルノスター型の構成を積極的に導入していたため、マニア層から一定の支持を得ています。本ブログでは過去に100mm F1.8と133mm F2.8の2本をご紹介しましたが、同社の望遠モデルにはまだまだ種類があります。今回は一度も取り上げた事のない焦点距離105mmを手に入れましたので、試写記録を残しておきたいと思います。
焦点距離105mmのモデルには、やや背伸びをした分だけ画質的に粗のあるF2、徹底して安定感のあるF2.8、構成枚数の少ないトリプレットタイプのF3.5があります。F2.5まで入れると絞り半段ごとにF2, F2.5, F2.8, F3.5と、実に4種類のモデルが犇(ひしめ)き合っており、望遠レンズに対する三協光機の執念を感じます。そもそもエルノスター型とは少ない構成枚数で諸収差を合理的に補正でき、しかも、かなり明るいレンズが作れるコストパフォーマンス抜群の設計です。解像力は廉価モデルでトリプレットタイプのF3.5より劣りますが、明るさとスッキリとしたヌケの良さ、安定感のあるボケ、シャープで線太な力強い画作りが特徴です。今回紹介する105mmF2.5にも確かにこれらの性質がみられ、開放から全く滲まずに線の太い力強い描写で、ボケも柔らかく綺麗です。距離によっては背後にグルグルボケが少し見られますが、フツーに良く写る優等生。これは好みの問題ですが、この描写をつまらないと感じる方は廉価モデルの105mm F3.5をお勧めします。こちらは3枚構成のトリプレット型で、高い解像力と歯ごたえのあるボケ味を兼ね備え持つ、性格の異なるモデルです。
  
   
入手の経緯
焦点距離105mmのモデルはポートレート撮影にもギリギリで使えるため、中古市場では焦点距離135mmの望遠モデルよりも人気があり、高値で取引されています。105mm F2.5の場合、国内では7500円~10000円程度、海外では20000円程度の値がつきます。私は2019年12月にヤフオクでカビ入りの個体を5500円で落札、人気の無いKONICA Fマウントだったこともあり、安い値段で手に入りました。届いたレンズはクモリやバルサム剥離など深刻な問題がなく、前玉に拭き傷がありましたが、内部の清掃のみで十分な状態となりました。KOMURAのレンズは各社のマウントに対応させるためのアダプターが初めからついており、アダプターを取っ払うと48mm径のKOMURA UNIマウントになります。どうも、このマウントはネジピッチがフィルターネジと同じようなので、ここにステップダウンリングとステップアップリングを取り付け、M42スクリューマウントに変換しました。

  
KOMURA 105mm F2.5の構成図:設計は4群5枚のエルノスター発展型

4 件のコメント:

  1. 双熊堂本舗 kuma2020年5月9日 0:49

    このレンズ持っています。
    発色も良くて、描写の傾向も好みですし、ぐるぐるボケも作れる、お気に入りのレンズの一つです。
    僕がカメラに興味を持った当時、三協光機は既に倒産しており、知らないメーカーでしたが、昨今のオールドレンズブームに乗っかって、ヤフオクでわずか1600円(+送料)ほどで手に入れました。
    カメラメーカー製のレンズに比べ、安価で、ともすれば下に見られがちな国内サードパーティーのレンズですが、侮れない描写をするレンズがあったのだなと、感心した次第です。
    さすがにキングオブエルノスターの大口径レンズは現在では高価すぎて手が出ませんが、このクラスであれば安価な事もあって、ほかにもKOMURAのレンズは28㎜F3.5、35㎜F2.5、135㎜F2.8、135㎜F3.5と幾つか購入してみましたが、このレンズが一番気に入っています。

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    1. こんにちは。いつも書き込みありがとうございます。
      105のこのレンズが一番好みですか!100があるのにごく近い105をフルラインナップで供給してくる三協って不思議なメーカーですよね。
      コムラーは鏡胴のつくりがオールメタルで、ラバーやプラよ要素がなく
      ちょっとだけ高級感があるところがいいですよね。

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    2. 双熊堂本舗 kuma2020年5月10日 22:49

      ほとんどのレンズがプリセット絞りで、作られていた一眼レフカメラの時代には自動絞りではなく使いづらかったのではないかと思いますが、ミラーレス一眼カメラの時代になって、普通に使えますから何とも不思議な感じがしています。

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    3. そうですね。同感です

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