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2016/02/11

Kinoptik Paris Apochromat 100mm F2のハレーション対策



Kinoptik Apochromat 100mm F2のハレーション対策
キノプテック・アポクロマート(Kinoptik Apochromat) 100mm F2は逆光撮影にたいへん弱く、純正フードを装着しても写真の中央部に盛大なハレーション(ベーリング・グレア)の塊が発生する。知人のプロカメラマンからこの問題をどうにか改善できないかとレンズを託された。問題の発生原因を突き止めたのはフードに光を通し反対側から覗き込んだ時で、内側の壁にはギラギラとした照り返し光が顕著にみられた。なんと、高級なアルパの純正フードであるにも関わらず、反射防止塗料が用いられていなかったのである。フードの内側に植毛をはり、改善効果を検証することにした。
フードの内側に光の反射を抑える植毛を貼る 
撮影テスト
(1)フードを装着しないケース、(2)純正フード(植毛なし)を装着したケース、(3)純正フード(植毛あり)を装着したケースの3パターンで逆光撮影による画質の比較を行い、植毛を用いて反射を抑えたことによる改善効果を検査した。テストに使用したカメラはSONY A7で、マニュアルモードでシャッタースピードを固定、ISO感度は200としている。撮影テストはカメラを三脚に固定した状態で実施した。レンズの絞りは全て開放としている。
Photo 1: フードも何もつけない場合。ハレーション塊が発生しコントラストも低い



Photo 2:  純正フード(植毛なし)を装着した場合。中央部のハレーション塊は少し抑制されているが、依然として盛大に出ている

Photo 3: 純正フードの内側に植毛を貼った場合。ハレーション塊はほぼ消えコントラストが向上している




続いて太陽の光が斜め前方(画角外)から入る条件でテストした。

Photo 4: フードも何もつけないケース。ハレーションが発生しコントラストが低下している

Photo 5: 純正フード(植毛なし)を装着したケース。中央部にハレーション塊が登場している。フードを付けたことがハレーション塊の発生原因となってしまった

Photo 6: 純正フード(植毛あり)を装着したケース。ハレーション塊が消えコントラストが向上している









逆光では純正フードの装着・未装着に関係なくハレーション塊の発生を確認した。これに対し、太陽の光が斜め前方から入る条件では純正フードを付けることで逆にハレーション塊が出てしまった。これは、フードの表面で照り返しが生じたからである。フードの内側に植毛をつけることでハレーション塊は消え、コントラストが向上した。