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2026/08/10

Olympus F.Zuiko 32mm F1.9 and F.Zuiko 32mm F1.7


名機PEN-Dに搭載されていた
ハーフサイズ用レンズ
Olympus F.Zuiko 32mm F1.9 and F.Zuiko 32mm F1.7 

いよいよ夏本番となりましたが、先日、東京都内の中古カメラ店でジャンクカメラを物色してきました。このときの最大の収穫が、1962年に登場したオリンパスの名機、PEN-Dシリーズです。

PEN-Dシリーズには、いわゆる「ハーフサイズカメラ」用レンズとしては頭一つ抜けた明るさを誇る、F.Zuiko 32mm F1.9/F1.7が搭載されています。ハーフサイズでありながら美しい背景ボケと、柔らかく味わい深い描写を楽しめるとあって、当時たいへん人気を博したカメラでした。レンズの設計構成は4群6枚のガウスタイプです。

以前からこのレンズをデジタルカメラでも使ってみたいと思っていたのですが、今回は機会に恵まれ、F.Zuiko 32mm F1.9を搭載した前期モデル(1962年発売)と、F.Zuiko 32mm F1.7を搭載した後期モデル(1967年発売)の2台のジャンク品を同時に入手することができました。今回は両レンズの描写の違いにも注目してみたいと思います。

当時のオリンパスは、他社と比較して球面収差をややアンダー気味にチューニングしている点が印象的です。解像力一辺倒ではなく、フレアを抑えたコントラスト重視の描写、スッキリとしたクリアな抜け感、そして鮮やかな発色が大きな魅力です。ハイアマチュアや玄人好みというよりは、「誰でも手軽に美しく撮れること」を追求した、一般アマチュア向けの描写設計と言えるでしょう。このカメラに搭載されたレンズにも、こうしたオリンパスらしい思想が凝縮されていると、私自身は捉えています。

今回は、ジャンクカメラから取り出した2つのレンズを直進ヘリコイドに換装し、マウント側をSONY EマウントとFujifilm FXマウントに変換しました。一般の方には難しい改造ですが、秋葉原のオールドレンズ店「2ndBASE」でも同種の改造レンズを取り扱っているそうなので、興味のある方は一度相談してみるとよいでしょう。

左がOlympus PEN-Dで、F.Zuiko 32mm F1.9を搭載しています。右はその後継機 Olympus Pen-D3で、レンズは少し明るくなったF.Zuiko 32mm F1.7です
 

撮影テスト 

後期型 F.Zuiko 32mm F1.7
開放ではハイライト部分の質感表現に若干の滲みが入り、とても美しい写真に仕上がります。ただし、コントラストへの影響は限定的で、鮮やかな発色もしっかりと維持されています。きれいな写真を撮るために考え出された、優れた描写設計であるように思えますが、F1.7に対応するため、球面収差をわずかに過剰補正気味にしているのではないかと思われます。少し絞り込むと、スッキリと抜けの良い像となり、さらにシャープな描写が実現されます。人気があるのも頷けます。
F4, Fujifilm X-Pro1


F4, Fujifilm X-Pro1
F1.7(解放) Fujifilm X-Pro1
F4  Fujifilm X-Pro1
F2.8  Fijifilm X-Pro1

F4  Fujifilm X-Pro1

F1.7(開放) Fujifilm X-Pro1
F1.7(開放) Fijifilm X-Pro1
F1.7(開放) Fijifilm X-Pro1

F1.7(開放) Fijifilm X-Pro1






























 

前期型 F.Zuiko 32mm F1.9

F1.9は光学設計に無理がないのでしょう。開放から滲みはほぼなく、スッキリとシャープな像が得られる、安定志向型のレンズです。解像力は平凡ながら、絞りによる描写の変化は小さく、オリンパスらしい完全補正型の描写設計ではないかと思われます。ボケも安定しており、ザワザワとした硬いボケにならないことも、そのことを裏付けています。なお、開放では周辺光量落ちが目立ちます。
 
F1.9(開放) Fujifilm X-PRO1

F1.9(開放) Sony NEX-3


F1.9(開放) Sony NEX-3

F1.9(開放) Sony NEX-3


F1.9(開放) Sony NEX-3

F1.9(開放) Sony NEX-3

F1.9(開放) Fujifilm X-PRO1


F1.9(開放) Fujifilm X-PRO1


 

















2本のレンズの描写には、開放で若干の差が見られます。滲みを活かした柔らかい要素を取り入れたいならば後期型、スッキリとした抜けの良い描写を求めたいのならば前期型というチョイスとなります。