グラマーな写りで世の写真家たちを魅了した
フォクトレンダーのフラッグシップレンズ
試写記録:Voigtländer HELIAR 7.5cm F3.5
ヘリアーをもう一本手に入れる機会がありましたので、以前書いた記事に中判デジタル機で撮影した写真を追加することにしました。ここでは追加部分のみを抜粋して記しますが、記事の完全版をご覧になりたい方はこちらをどうぞ。
ヘリアーと言えば昭和天皇ご夫妻の御真影(ごしんえい)にも採用されたことから日本では別格視されるようになり、昔は写真館などで家宝のように大切に扱われてきたそうです[1]。このレンズの描写は見たままの姿を忠実にとらえ再現するだけでなく、被写体の美しさを引き立て、格調高く仕立てる効果があり、御真影に採用されたのもそのためでしょう。時代的に撮影に使用されたのはDynar型の3代目ヘリアーだったであろうと思いますが、こういう歴史の舞台や映画の名作などで活躍したレンズに思いを寄せ、伝説と共に写真撮影を楽しむのも、オールドレンズの魅力の一つと言えます。さて、へリアーを最新のデジタル中判センサーを搭載したFujifilmのGFX100Sで使用してみました。
Heliar 7.5cm F3.5 (Bessa66用): 前玉回転式, 最短撮影距離 1m, F3.5-F16, 絞り羽10枚, 重量(外部ヘリコイド除く) 75g |
★デジカメへのマウント
今回入手したへリアーはBessa66という昔のスプリングカメラに付いていたレンズシャッター方式のレンズです。レンズはシャッターとともに固定リング1枚でカメラに付いており、カメラの裏蓋を開ければ蛇腹の裏側から固定リングを外すことができます。再び元のBessa66に戻して使えるよう、固定リングは大切に保管しておきましょう。さて、今回のレンズはCompur00という小型シャッターに搭載されており、マウント部はM25(ネジピッチ0.5mm)のネジマウントです。ここにeBayで入手したM25(x0.5mm)-M39変換リングとM39-M42ステップアップリングをはめれば、直進ヘリコイドに搭載することができ、M42レンズとして使用できるようになります。私が使用した直進ヘリコイドは21.5-47mmという変則的な繰り出し幅を持つ製品で、これがちょうど良かったのですが、現在は市販で手に入りませんので、17-31mmのタイプを購入しスペーサーを入れるなど工夫が必要になると思います。
Heliar(1921)の構成図。設計は3群5枚構成でトリプレットの前・後群を貼り合せレンズ」とした発展型。1921年にR.Richterが設計している。Richiterは後にZeissに移籍しTOPOGONを設計している |
★参考文献・資料
[1] クラシックカメラ専科No.8: スプリングカメラ特集
F3.5(開放, 外部ヘリコイドで合焦) Fujifilm GFX100S(AWB,NN,Color:-2) そうかと思うと、線の太い描写にもなります |
F3.5(開放, 外部ヘリコイドで合焦) Fujifilm GFX100S(AWB,NN,Color:-2) これくらいがちょど良いベストの艶やかさかな・・・。 |
F3.5(開放, 外部ヘリコイドで合焦) Fujifilm GFX100S(AWB,NN,Color:-2) |
F3.5(開放, 前玉回転で合焦) Fujifilm GFX100S(WB:⛅, NN) |
F3.5(開放, 前玉回転で合焦) Fujifilm GFX100S(WB:⛅) |
F3.5(開放, 前玉回転で合焦) Fujifilm GFX100S(WB:⛅) |
F3.5(開放, 前玉回転で合焦) Fujifilm GFX100S(WB:⛅) |
F3.5(開放, 前玉回転で合焦) Fujifilm GFX100S(WB:⛅, NN) |