おしらせ

 
イベント案内
オールドレンズ写真学校ワークショップ
9月3日(日)場所はアクアパーク品川 申込制:定員15名(間もなく定員オーバーとなりキャンセル待ちに入るそうです) 詳しくはこちら スタッフとして参加予定です。

オールドレンズxポートレート写真展2
9月16日(土)―9月18日(月・祝)場所は学芸大前 こちらも関連ワークショップですので、お知らせいたします。詳しくはこちら

オールドレンズ写真学校ワークショップ
9月23日(土)場所は巾着田 申込制:定員15名(既に申込が続々と入っているそうです。最近、定員オーバーが多いので申込はお早めに) 詳しくはこちら
スタッフとして参加予定です。


2016/08/08

Carl Zeiss Pro-Tessar 35mm F3.2, 85mm F3.2, 115mm F4 and Tessar 50mm F2.8(Prologue)


特集コンタフレックスのプロ・テッサー(プロローグ)
肉厚ガラスで奏でる美しい旋律
プロテッサー(Pro-Tessar)は旧西ドイツのツァイス・イコン(Zeiss-Ikon)社が1957年から1975年まで生産した一眼レフカメラのコンタフレックスIII型以降のモデル(Contaflex III、IV、Rapid、Super、Super(new)、Super B、Super BC、S)に供給したコンバージョンレンズ群である。米国をはじめとする西側諸国への広告戦略がうまくゆき、コンタフレックスシリーズは人気商品となった。カメラにははじめからテッサー(Tessar) 50mm F2.8が標準搭載されており、テッサーの前玉をPro-Tessarの各モデルに交換することで広角35mm、中望遠85mm、望遠115mm、等倍マクロ撮影、ステレオ撮影などに対応することができた。レンズのラインナップは下記のとおりである。
  • Pro-Tessar 35mm F4およびF3.2(改良型)
  • Pro-Tessar 85mm F4およびF3.2(改良型)
  • Pro-Tessar 115mm F4
  • Pro-Tessar M1:1 50mm F5.6(マクロ専用)
  • Steritar B(ステレオ撮影用)
焦点距離35mmと85mmのモデルははじめF4の口径比で登場したが、1962年に同一構成のまま口径比をF3.2まで明るくした新モデルに置き換わっている。レンズを設計したのは名玉ローライフレックス版プラナーの設計者として知られるギュンター・ランゲ(Günther Lange)で、1955年と1956年に出願した本レンズの米国特許の記録がみつかる[文献1,2]。
Pro-Tessarファミリーの構成図(文献[3]からのトレーススケッチ(見取り図))。上方の青で着色した部分が前群側(コンバージョンレンズの側)で、黄色に着色した部分が後群側(カメラの側)という位置関係になっている。青で示したコンバージョンレンズ群を交換することで様々な焦点距離や用途に対応させることができた



プロ・テッサーの魅力は何と言っても肉厚ガラスを用いた異様な設計形態であろう(上図)。焦点距離35mmのモデルにもかなりの肉厚ガラスが備わっているが、85mmや115mmのモデルに至っては、もう見事としか言いようがない。このような設計形態はレンズをコンパーシャッターに無理やり適合させるところから来ており、シャッターの狭い開口部に光を通すため、前群側で屈折力を大いに稼ぐ必要があった。シャッターの制限から来るハードルを高い技術力で突破してしまうあたりは、いかにもツァイスらしい製品と言える。なお、Zeiss-Ikon社がこうまでしてシャッターへの適合に拘ったのは、同社が二大シャッターメーカーのコンパー(Compur)とプロンター(Prontar)を傘下に入れてしまったためであると言われている。シャッターの生産量を維持するという経営面での事情と、何でも作れてしまうZeissの技術力が重なり、このような異様な設計形態を生み出す原動力になった。これは驚くべき事例である。
 
プロテッサーをデジタルカメラで用いる
プロ・テッサーはコンタフレックス用テッサー50mm F2.8の後群側をマスターレンズとするコンバージョンレンズ群である。テッサーの前玉はバヨネット方式になっており、これを外してプロ・テッサーに取り換える仕組みになっている(下・写真参照)。レンズを現代のデジタルカメラで用いるにはコンタフレックスの本体に固定されているマスターレンズをシャッターユニットごとカメラから取り出し、デジカメ用のマウントに改造すればよい。私は手元にあったPK-NEXアダプターを使いSony Eマウントに変換することにした。これさえあれば、プロ・テッサーシリーズ全てをデジタルカメラで用いることができる。肉厚ガラスを通り、狭いトンネルをくぐり抜けた光はデジタルカメラのセンサーにどんな像を結ぶのか。興味は増すばかりである。
PK-NEXアダプターに搭載したコンタフレックス用テッサー。前玉はバヨネット方式で据え付けられており、これを外してプロ・テッサーと交換する仕組みになっている



プロ・テッサーを設計したGランゲは同時代にJベルガー(J.Bergar)らと共にマスターレンズをガウスタイプ(Satz-Planar 50mm f2)とする別バージョンのコンバージョンレンズ群を設計しており、製品化はされなかったものの、1957年に広角レンズのプラナー・ゴン(Planar-Gon)35mm f4と望遠レンズのプラナー・テル(Planar-Tel)85mm f4を開発し試作品の段階まで漕ぎ着けている[4]。やはり、これらも肉厚の光学エレメントを多用したレンズであった。
 
参考文献
[1] 焦点距離85mmと50mmのモデルの米国特許:G.Labge, US Pat.2816482(Filed in 1956)
[2] 焦点距離35mmnのモデルの米国特許:G.Lange, US Pat.2835168(Filed in Aug.1955),  US.Pat 2844997(Filed in Nov.1956)。なお、115mmについてはG.Langeとの関連を示す記録がない
[3] 構成図:PHOTO-REVUE(French Magazine), Nov.1956, pp.284
[4] Walter Owens, Vintage Camera Lenses

2 件のコメント:

  1. こんにちは。悪代官と申します。
    質問があります。
    コンタフレックスのボディ側にヘリコイドの付いたレンズマウントがありますが、どうやって、外されたのですか?
    恐縮ですが、ご教示いただければ、幸いです。

    返信削除
    返信
    1. フィルムの側からシャッターの固定部と思われるリング部分をひたすらはずして行きますと、シャッターとヘリコイドがカメラ本体からゴッソリと外れます。難しくはないです。故障したジャンクカメラなら、高くないので、よいと思います。

      削除

匿名での投稿は現在受け付けておりませんので、ハンドルネーム等でお願いします。また、ご質問を投稿する際には回答者に必ずお返事を返すよう、マナーの順守をお願いいたします。