
コニカのハーフサイズカメラ用レンズ(続編)
KONICA HEXANON 32mm F1.8
過去にハーフサイズカメラのKONICA EYEから摘出したHEXANON 30mm F1.9を取り上げ紹介しましたが、このレンズが各方面で人気なようで、今回は続編として後継機のKONICA EYE2に搭載されている姉妹レンズのHEXANON 32mm F1.8を取り上げ紹介することにしました。先代のKONICA EYE同様、EYE2も故障品がジャンク市場にゴロゴロとあり、安値で売り叩かれています。このような廃棄寸前のカメラでもレンズがまだ使える場合があります。レンズのコンディションが良さそうなジャンクカメラを一台救出してきましたので、今回もライカマウントに改造して使うこととしました。デジタルミラーレス機に搭載するオールドレンズとして、第二の人生の始まりです。ついでにカメラとレンズについて、軽くレビューしておきましょう。
KONICA EYEシリーズは第一回東京オリンピックが開催された1964年に登場したハーフサイズカメラの大衆機で、先代モデルにあたる初代EYEには固定レンズのHEXANON 30mm F1.9が搭載されていました。このカメラの生産台数は推定13万台と結構な数がつくられており、かなり人気だったようです[注1]。今回取り上げるレンズは、このカメラの後継機として1967年に登場したEYE2、および1968年に登場したマイナーチェンジモデルのEYE3に固定装着されていたレンズです。レンズは再設計され、焦点距離は32mm、開放F値は少し明るいF1.8に変更されています。EYE2とEYE3についも合計約11万台が製造されたようで、EYEシリーズの人気は衰えなかったようです。ただし、ハーフサイズカメラ自体の人気は既に下火でしたので、同社は製品の主軸を35mmコンパクトカメラに移し、最終モデルであるEYE3を最後にEYEシリーズを打ち止めとしています。
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取り扱い説明書より引用
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改造についてはHEXANON 30mmの時と同じやり方です。難しくはありませんが削る部分があるため、少し手間を要します。まずカメラからレンズユニットを取り出し、その先端部にC-M42アダプターを装着します。この時にアダプターの内側を削り、ネジ山を落としておきます。あとは、そのままM42-M39直進ヘリコイド(12-19mm)に搭載するだけですが、このときに無限遠のピント位置を調整します。位置が決まったら接着剤等で仮固定しておけばよいでしょう。いざとなれば外せるよう、強力すぎる接着剤は避けたほうがよいかもしれません。これでライカスクリューマウントのレンズとして使用することができます。タイヤみたいな個性的なデザインで、インパクトのあるパンケーキ型レンズに仕上がりました。
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KONICA HEXANON 32mm F1.8(EYE2 / EYE3用)構成図(右と左・上)。カメラのインストラクションマニュアルに掲載されていた構成図をトレーススケッチしました。図の左下(半分)は初代HEXANON 30mm F1.9の構成図 |
HEXANON 32mm F1.8のレンズ構成は初代のHEXANON 30mm F1.9と同じ5群6枚で、前群の貼り合わせを分離した拡張ガウスタイプです(上図)。分離部分を空気レンズとすることで画質的な性能を強化しています。構成図をみると第2レンズ(G2)が初代HEXANON 30mm F1.9に比べ、若干肉厚に作られており、屈折力の補強が図られているようです。初代HEXANONの性能を維持しつつレンズの明るさをF1.8にしています。
[注] 製造本数については、ネット上でこちらのブログの方がシリアル番号から割り出しています。
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KONICA HEXANON 32mm F1.9: フィルター径 40.5mm, 定格イメージフォーマット: ハーフ判(APS-C相当), 設計構成 5群6枚, 機構的に絞りを持たない(シャッター羽が兼ねる) |
★入手の経緯
KONICA EYE2は中古カメラ店やネットオークションに多数流通しており、探すのは容易です。動作するカメラを壊すのは野蛮なので、ジャンクの故障品を探すことをおすすめします(そのほうが安上がりですし)。なお、はじめからライカLマウントに改造された個体が秋葉原のオールドレンズ専門店2nd BASEで販売されています。同店の店員さんがインスタグラムで写真を紹介したところ、人気が出始めたとのことで、ここの店員さんが台風の目です。なお、同店には本ブログで過去にご紹介したHEXANON 30mm F1.9の改造レンズも取り揃えており、値段はどちらも15000円前後でした。
★撮影テスト
KONICAのガウスタイプレンズは適度な滲みを伴う絶妙な柔らかさと、線の細い画作りを特徴としているものが多くあり、本レンズも例外ではありません。階調は軟らかくトーンを丁寧に拾ってくれますが、軟調にはなりすぎず発色はしっかりとしています。逆光ではゴーストがビシバシと沢山でますし、角度を選ぶととても綺麗な虹のゴーストがアーチを描くように出現します。美しい描写が持ち味ですので、レンズの特性を活かせば素敵な写真が撮れると思います。
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F1.8(開放固定) Fujifilm X-PRO1(WB:日光, F.S: Standard) |
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F1.8(開放固定) Fujifilm X-PRO1(WB:日光, F.S: Standard) 虹を出すにはフードを外します |
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F1.8(開放固定) Fujifilm X-PRO1(WB:日光, F.S: Standard) |
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F1.8(開放固定) Fujifilm X-PRO1(WB:日光, F.S: Standard) |
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F1.8(開放固定) Fujifilm X-PRO1(WB:日光, F.S: Standard) |
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F1.8(開放固定) Fujifilm X-PRO1(WB:日光, F.S: Standard) |
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F1.8(開放固定) Fujifilm X-PRO1(WB:日光, F.S: Standard) |
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F1.8(開放固定) Fujifilm X-PRO1(WB:日光, F.S: Standard) ワル乗り
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F1.8(開放固定) Fujifilm X-PRO1(WB:日光, F.S: Standard) こうなる |
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F1.8(開放固定) Fujifilm X-PRO1(WB:日光, F.S: Standard) |
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F1.8(開放固定) Fujifilm X-PRO1(WB:日光, F.S: Standard) |
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F1.8(開放固定) Fujifilm X-PRO1(WB:日光, F.S: Standard) 撮影条件によっては、かなり強い虹が出ます |
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F1.8(開放固定) Fujifilm X-PRO1(WB:日光, F.S: Standard) |
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F1.8(開放固定) Fujifilm X-PRO1(WB:日光, F.S: Standard) |
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F1.8(開放固定) Fujifilm X-PRO1(WB:日光, F.S: Standard) |
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F1.8(開放固定) Fujifilm X-PRO1(WB:日光, F.S: Standard) |
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F1.8(開放固定) Fujifilm X-PRO1(WB:日光, F.S: Standard) |