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10月15日 場所は横浜イングリッシュガーデン
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11月3ー5日 場所は原宿 申込制:定員13名(参加資格有) 詳しくはこちら スタッフとして参加予定です。

2010/06/11

CBC COMPUTAR 35mm/F2.8(M42) コンピュータ


監視カメラ用レンズの世界トップシェア企業が限定生産した珍しいM42マウントレンズ

 「ずいぶんと個性的な名前だな?」と興味を抱き、eBayを介してギリシャの中古レンズ業者still22から僅か62㌦で購入したのが、今回取り上げる単焦点レトロフォーカス型広角レンズのCOMPUTAR(コンピュータ) 35mm/F2.8だ。ちなみに電子計算機を意味するCOMPUTERとは一字違い。わかっていることは、これが日本製であることと望遠レンズ(135mm/F1.8という驚異的なスペックを持つM42マウント用)の姉妹品があることのみ。「逆輸入よろしく頼みます!」とstill22に告げ送ってもらった。届いたレンズを手にして、本やインターネットで製造元を調べてみたが、困ったことに何一つ手掛かりが掴めない。仕方なく諦めてヤフオクに出品したところ、その直後に「フレクトゴンのnavyblueさん(山形)」から一報が届いた。navyblueさんの仕事の取引先にCBC株式会社という企業があり、ここが製造している監視カメラ用レンズのブランドの名がCOMPUTARであるというのだ。CBC社に電話で問い合わせてみたところ「確かに15年程前にペンタックス・スクリューマウント向けに若干数を限定製造した覚えがあるが、正規に販売した商品ではない」との返答。面白い!そして、製造元は判明した。本品は監視カメラ用レンズで世界トップシェアを誇るCBC株式会社がM42マウントのラインセンサー用高性能カメラを造るという取引先の要望に応じ、若干数を限定生産したレンズである。確認は取っていないが電話で応対してくださった方のお話から察すると、取引先はペンタックスのようである。本品と同じ外観を持つ同一品らしきレンズが監視カメラ(CCTY)用としても販売されている。こちらは多分、c-mountであろう。
 CBC株式会社は1925年に創業以来、化学品、合成樹脂、医薬品、農薬、食品、医療機器、監視用レンズやカメラ等のセキュリティ機器、情報通信機器部品、アパレル等の輸出入と国内販売、及び製造などを手がける商社とメーカーの機能を兼ね備えた企業である。もんじゃ焼きで有名な東京都中央区の月島に本社を置き、国内外に多数の事業支店を持つ。会社名のCBCは旧社名(中外貿易株式会社)の頭文字(Chugai Boueki Co.)とのこと。
フィルター径:49mm 焦点距離:35mm/絞り値:F2.8-F16, 最短撮影距離:0.5m, 重量(実測):196g, 絞り羽根:5枚, 光学系の構成は不明。デザインは過去に本ブログで取り上げた50mmのMCペンタコンに良く似ている。

★入手の経緯
 本品は2009年12月にeBayを介し、ギリシャの業者still22 から送料込みの総額62㌦(約5500円)で落札購入した。この業者はクラシックレンズを専門とする優良・有名業者のため、品質には全く不安はなかった。オークションの記述は適確で、レアな商品を多く取り扱うため人気が高い。オークションに掲載されていた商品の状態はEXCELLENT++コンディションで「鏡胴に僅かな使用感がある。光学系は全エレメントがクリア。機構的にはパーフェクト。絞りは適確かつスムーズに動作し、絞りリングやフォーカスリングはスムーズで適確に回転する。」とのこと。届いた商品は全くその通りであった。
 
★試写テスト
使ってみたところ、思っていた程カリカリした描写にはならず階調は軟らかい。CBC社の方の話によると製造された時期は1995年頃とのこと。この頃の品ならば高級・廉価品を問わず、低分散・高屈折率のガラス素材が使われ、マルチコーティング処理が施された現代的な性能を備えたレンズであろう。デジタル一眼レフカメラ(APS-C)につけて撮影テストをした印象は下記の通り。

●開放絞りではコントラストの低下が顕著で結像が甘く、コマが出ているのかピント面はややぼんやりとする。その影響のためかピントの山はやや掴み難い。1段絞れば無難にスッキリ写るようになる。

●最新のデジタルカメラで使用する場合には倍率色収差が顕著にみられ、近接~中距離の撮影において白っぽい被写体の輪郭部が色づいて見えることがある。最近のデジカメは解像度が高く一昔前のレンズの性能を遥かに超えているので、この種の色収差をはっきりと拾う。

●背後には2線ボケが生じていることがしばしばある。ただし、コマフレアが残存しているおかげなのかザ、ワザワ乱れたり崩れたりする程までにはならなかった。

●画角の広い銀塩カメラやフルサイズセンサを搭載したデジイチを用いなかったので、画像周辺部の歪みについて、踏み込んだ事は何も言えないが、建築物に対する撮影においては何ら気にならないレベルであった。

以下作例

左F2.8/右F8 開放絞りにおける結像は甘い。周辺部の歪曲は肉眼では判断できないレベルだ。銀塩カメラやフルサイズセンサのデジカメを用いて、更に広い画角で撮影すれば、もう少し差が出るかもしれない
F2.8 開放絞りで近接撮影の場合は、このように結像が甘くなる。このぼんやりポワ~ンとした解像感の無さは一般撮影で生かすことのできる優れた描写力だ
F2.8 アウトフォーカス部はどのような距離でも乱れたり崩れたりすることなく常に穏やかだ
F5.6 このとおり1-2段絞れば普通に鋭いレンズとなる。コントラストも良好で階調変化はなだらかだ

左:F2.8/右:F5.6 絞り開放ではコントラストの低下が顕著だが、1-2段絞ればメリハリのきいたシャープな描写になる
F5.6 1~2段絞ると肩の辺りに色にじみが出た。しかし、同じ35mm/F2.8のシュナイダー・クルタゴンの方がもっと激しい色にじみであった
F4  ボケ味の柔らかさ(硬さ)はごく普通のレベル。フワッと表現できる程でもなければ、硬いわけでもない

F5.6 ヒヒーン。鼻息荒らそうで、なんだかエロティック

★撮影環境
EOS Kiss x3 +CPC COMPUTAR 35/2.8+  PENTACON metal HOOD

このレンズは意外にも開放絞りの付近でしっとりした描写力を持っている。1~2段絞ればカリッとシャープになるなど一般撮影において充分に楽しめるレンズだ。


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