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TAIR-41Mのブログエントリーに写真を追加
Oo.ema.oOさんにオリンパスPENで撮影したタイ―ル41M(前記モデル)の写真を提供していただきました。

2015/09/05

Pentax smc PENTAX soft 85mm F2.2 (PK)









被写体の前方にバブルを生み出す
大口径ソフトフォーカスレンズ
PENTAX  smc Pentax Soft 85mm F2.2 
オールドレンズの分野ではちょっとしたブームになっているバブルボケであるが、これを被写体の背後ではなく前方に出す方法を考えはじめた。バブルボケとは収差を過剰(プラス)に補正したレンズに共通してみられるシャボン玉の泡沫のようなボケである。ちょうど大小さまざまなコンドームが折りたたまれた状態のまま、空間内を集団浮遊している状況を思い浮かべてもらえると理解しやすい。今回はこれを被写体の後方ではなく前方側に発生させたいのである。理論上は収差を逆方向にマイナス補正(補正不足に)したレンズを用いればよく、ソフトフォーカスレンズが最適である。また、ボケ量がある程度大きなレンズであることも重要である。あまり耳にしたことはないが、大口径ソフトフォーカスレンズを使えばよい。はたして、そんなレンズは実在するのであろうか・・・。探しはじめると間もなく見つかった。smc Pentax Softである。
このレンズはPENTAX(現RICOH IMAGING)が1986年から1990年にかけて4年間だけ生産した焦点距離85mmのポートレートレンズで、口径比はこのカテゴリーとしては異例のF2.2とたいへん明るいのが特徴である。構成は下図に示すような1群2枚の色消しダブレットで、望み通りに球面収差がマイナス側(補正不足側)に大きく倒れる設計である[文献1]。この種のマイナス補正型のレンズは被写体の背後でフレア(ハロ)を纏う柔らかい良質なボケが得られるため、ソフトフォーカスレンズには好んで用いられている。ただし、これとは反対に被写体の前方側のボケは硬く、ざわざわと煩いボケになったり2線ボケが出ることも想定できる。今回期待しているのは、まさにこういう性質なのである。さて、バブルボケは本当にでるのであろうか。確証のないままレンズの入手に踏み切ることになった。

参考文献
文献1: 「レンズ設計のすべて」辻定彦著
smc PENTAX SOFT 85mm F2.2の構成図トレーススケッチ(見取り図)。構成は1群2枚の色消しダブレットで左が被写体の側、右がカメラの側である
入手の経緯
本レンズは2014年12月にヤフオクを介して大黒屋・久里浜店から落札購入した。商品の解説は「使用に伴う汚れや傷があるが目立つ傷はない。レンズ内部にはわずかなチリがある。中古品の為、格安スタートにしている。ノンクレーム・ノンリターンでお願い」とのことで前後のキャップが付属していた。開始価格10000円でスタートし3人が入札、返品不可なのでリスクも考え13500円に設定したところ11500円+送料1000円で私のものとなった。届いたレンズは外観にこそ僅かな傷がみられたが、ガラスにはホコリやチリなど全くみられず、素晴らしい状態であった。
重量(公式) 235g, フィルター径 49mm, 絞り羽 6枚, 絞り F2.2-F5.6, 最短撮影距離 0.57m, 製造期間 1986-1990年, レンズ構成 1群2枚, マルチコーティング(smc), Pentax Kマウント
撮影テスト
結論から言えば被写体の前方にハッキリとしたバブルボケが出ることが確認できた。使い方次第ではかなり面白い写真になるだろう。
ソフトフォーカスレンズは収差を意図的に残存させ、コマやハロなど収差に由来する滲みやフレアを積極的に利用することで柔らかい描写を実現している。本レンズも含め収差の残存方法は球面収差をマイナス側(補正不足側)に倒すのが一般的で、この場合は背後のボケがフレアに包まれるとともに大きく柔らかい拡散になるなど美しいボケ味となる。反対に前ボケは像が硬くなりシャボン玉の泡沫のような美しいバブルボケが発生する。絞れば徐々にフレアは収まりヌケもよくなる。最も深く絞ったF5.6では中心解像力も悪くない水準に達している。
少し絞っている, Sony A7(AWB): いきなり出ましたバブルボケ。背後のボケは前方のボケよりも柔らかく拡散している
F2.8近辺まで僅かに絞っている, Sony A7(AWB): 圧縮効果を利用すれば、このとおり大小不揃いのバブルボケも出せる



F2.2(開放), Sony A7(AWB): クラゲちゃん大集合!。コマ収差も大量に発生しており四隅でボケ玉がクラゲ状に変形している様子がわかる

F2.2(開放), Sony A7(AWB):楽しい!このレンズは遊べる
F4.5, Sony A7(AWB):深く絞めば中央には解像力がありヌケも良い







F2.2(開放),Sony A7(AWB): 絞りを全開にしフレアを最大にすると、こうなる





F3.5, Sony A7(AWB, ISO5000): フレアは多ければいいというものではない・・・みたい

2 件のコメント:

  1. 同様な1群2枚の構成を持つソフトフォーカスレンズとしては ニコンのニコン面白レンズ工房3本組の一つ、「ふわっとソフト90ミリf4.8」があります。
    もともと3本組1万8千円で90年代中頃に短期間売り出されていた物です。ヤフオクでも3本組5千~1万円ほどで時々出品されています。
    この「ふわっとソフト90ミリ」も手前側に「バブルボケ」がでます。
    http://www.nikkor.com/ja/story/0052/

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    1. ありがとうございます。作例、探してみます。
      しかし、ソフトレンズはあまり売れないためか
      どれも短命で製造中止になっていますね。

      削除

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