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オールドレンズ女子部
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オールドレンズ写真学校12月ワークショップ
今月は12月17日(日)の予定です。まもなく正式な発表と申し込みの開始が始まります。

2010/03/02

BEROGON 35mm/F3.5 (M42) ベロゴン

OEMブランド第二弾

ISCO製か? 旧西ドイツで生まれた謎のレンズ

 通常、レンズの銘板には製品のブランド名に加え、製造したメーカー名の刻印が記されている。しかし、オールドレンズの中にはメーカー名の無い製品がある。例えば有名なところでは、米国のVivitarやドイツのRevuenonなどのブランド製品である。これらはいわゆるバイヤーズブランドと呼ばれるものであり、通販会社や写真機材専門店などのディーラーが中小規模の光学機器メーカーと手を組んで製品化したブランドだ。発注元のディーラーは自社の販売網を提供し、製造メーカーは覆面商品をOEM供給するという相互依存の関係になっている。覆面とは言っても、製品の特徴を見ればどのメーカーが製造したものであるのか、多くの場合には直ぐに判明する。日本製のレンズではコシナや富岡光学などの製品が有名であり、数多くの銘玉を生み出している。しかし、中には製造元が全くわからないものもある。今回入手したBEROGONはそういう類のレンズである。困ったことに手がかりすらない。
 BEROGONを手にした最初の印象は、コンパクトで洒落たデザイン、そして重量が軽いことなどである。重量は実測値でたった148gしかない。光学系の構成は不明だが、開放絞りからそこそこシャープな結像を示し、ボケ味は硬め。収差は比較的小さく、画像周辺部まで均質で整った結像が得られ、癖のない色濃く自然な発色を示すなど、テッサー型のレンズに共通する特徴を感じる。描写は本ブログでも取り上げたマクロキラーやインダスター61L/Zに近い。おそらくテッサー型をベースとし、最前面に凸レンズを追加することによって包括角を広げ、レトロフォーカス化したものが本レンズの設計ではないだろうか。対応マウントはM42に加えエキザクタが存在する。
 ドイツの掲示板には本品がISCOによって製造されたとの自信たっぷりの記述を見つけることができる。Iscoの製品にはBeroを接頭語とするBerolinaブランドがあるからだろう。証拠は提示されておらず、予想の域を脱していない。他の候補としてはプラスティックの材質やデザイン、銘板に刻まれた字体の特徴からENNA社、もしくは同社のLithagonブランドと関連の深い製造プラントではないかとも思われる。はたして製造元はどこなのであろうか。
重量(実測):148g, 絞り値/焦点距離: F3.5-22/ 35mm, フィルター径:49mm, 最短撮影距離: 0.6m, 絞り機構: プリセット。レンズ構成は不明だが、前玉が奥まったところにあるのでフード無しでもある程度はフレアを防止できる

★入手の経緯
本品は2010年2月にYAHOOオークションを通じて神奈川の個人から7500円で落札購入した。オークションの記述は簡素なものであったが写真が鮮明であり、悪い記述が見あたらなかったので、そのまま入札に加わる。オークションは6500円でスタートしたが自分を含め3人の入札があったのみで、たいして盛り上がらなかった。おかげで安く入手できた。届いた商品の状態は良く、いい買い物であった。久々にヤフオクでのショッピングだが、eBayに比べ安全度が高いことを改めて実感した。ちなみに本品のeBayでの相場は100--150㌦くらいであろう。

★撮影テスト
F3.5とやや暗めの設計だが、開放絞りから実用的な描写力を持っている。

●ピント面は絞り開放から大変シャープ
●ボケは浅く硬めのティストで、アウトフォーカス部がやや煩くなる時がある
●すっきりとヌケが良く写る
●ガラス面のコーティングが単層のため逆光には弱く、ゴーストやフレアが豪快に出る
●画像周辺部の歪みは小さく結像が流れるようなことはなかった。周辺減光も気になるレベルではない
●グルグルボケの心配は無い
●発色は濃い。癖は無く自然であり、色の再現性は良好だ

F3.5 絞り開放でこの描写とは実に素晴らしい。シャープな結像と癖のない自然な発色だ

F3.5 開放絞りにおいてもピント面には解像感がある。ボケ味は硬めなので背景がザワザワと煩くなることがある。赤や緑の発色は色濃く、色の再現性は高い

F3.5 画像周辺部まで歪みは少ない。色の再現性は高く、カメラ側の設定に頼る必要はない

F5.6 実にすっきりとしたヌケの良いレンズである
F5.6 ガラス面に施されたコーティングが単層なので、逆光に弱くフレアが出やすい。ただし、フレアも使い方によっては上手く活用できる。幻想的な写真を撮るときには好都合な場合がある

F5.6 調子にのって羽目を外すと、このとおりに火傷する。物凄いゴーストとフレアだ

F5.6 岩の質感を上手く出すのはとても難しい。乾いたコンクリートの様な岩質になってしまうからだ。全体が暗くならない程度で露出をアンダー目にとり、ギリギリの補正をかけている

無名のレンズということもありBEROGONは安物だったのであろう。しかし、高い描写力を持つ優れたレンズであることは間違いない。おそらくは技術水準の高い名のあるメーカーが供給していたはずだ。どなたか情報をお持ちの方がおりましたら、ぜひ手がかりをお寄せください。

★撮影環境:BEROGON 35mm/F3.5 + EOS Kiss x3 + PENTACON HOOD

 

なぜ癖玉や珍品を好んで手に入れるのかと尋ねられることがあるが、どうも私には子供じみた変身願望があり、それを癖玉探しに求めているようなのだ。常識では理解できない凄い癖玉を探し求めているのである。例えて言うならば、製造メーカーは不詳、外観のデザインは平凡、描写力は全く駄目という具合に冴えないレンズなのだが、特定の使い方をしたり厳しい撮影条件下にさらすとレンズ工学的に型破りな性質が発症して、他のレンズでは到底真似できないようなとんでもない描写力が引き出せるレンズである。はたして、そんな凄い癖玉に出会うことは今後あるのだろうか。

2 件のコメント:

  1. 私の手持ちでBelorinaブランドのベロゴンがありますが、貴公の個体と外見はソックリです。

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  2. ISCOにBerolina-Wastromatというブランドがありますので、BEROGONが
    ISCO製の可能性を押す証拠の一つになりますね。
    ありがとうございます。

    返信削除

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