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2018/07/17

Leica M, a new universal mount emerged in the mirrorless-camera era

LEICA-M、それはミラーレス機時代に見直され始めた
古くて新しいユニバーサルマウント
私が写真撮影に用いるカメラはソニーのフルサイズ機、フジフィルムのAPS-C機、オリンパスのマイクロフォーサーズ機の3台のミラーレス機で、これらをオールドレンズの撮影フォーマットに合わせて使い分けています。レンズの方は一眼レフカメラの全盛期に作られた製品が中心で、M42マウント、ライカMマウント、ライカRマウント、エキザクタマウント、アリフレックスSTマウント、ニコンFマウントなど6種類のマウント規格にわたります。仮にこれら6種のレンズをマウントアダプターを用いて3台のカメラ全てで使用できるようにした場合、図1に示すように必要なアダプターの数は18にもなります。これだけの数のアダプターを揃えるのはかなりの出費ですし、持ち出す機材も大きく重くなります。そして、何よりも大きな問題は、撮影現場でレンズを付け替える際に混乱が発生することです。18もの組み合わせを管理するのは大変なことなのです。混乱を避ける良い方法はないものでしょうか。
従来のシステム:6つのレンズと3つのカメラをつなぐ全組み合わせをアダプター(矢印で表記)で繋いだ概念図

実は良い方法が一つあり、全てのレンズとカメラをライカMマウントに変えてしまうというのが今回ご紹介するアイデアです。手順から話しましょう。
まず初めに3台のカメラ全てにアダプターを装着し、マウント部をライカMマウントに変換します。図2をご覧ください。用意するマウントアダプターはLEICA(M)→SONY E(SE), LEICA(M)→FUJIFILM X(FX), LEICA(M)→OLYMPUS(M4/3)の3種類です。続いてレンズの側にもアダプターを装着し、全てのレンズをライカMマウントに変換します。レンズの1つは初めからライカMマウントなので、残る5本のレンズに対して5個のアダプターを用意すれば十分です。ここまでの準備で用意したアダプターの数はカメラの側が3、レンズの側が5ですから、新システムには合計8個のアダプターが導入されています。アダプターの数を従来のシステムの半数以下に削減できたのです。

新システム:6つのレンズと3つのカメラをライカMマウント経由でつないだ概念図



そうは言っても依然として8個のアダプターを管理するわけで、これで本当に混乱は避けられるのでしょうか。改めて図2で示した新システムを見てみましょう。新システムではライカMマウントをハブにして、6本のレンズと3台のカメラが1点で繋がっています。レンズもカメラも全てライカMマウントになっているので、レンズ交換時にカメラやレンズからアダプターを取り外したり、付け替えたりする必要ないことがわかります。実はこれが狙いだったのです。従来のシステムで発生したレンズ交換時の混乱は新システムでは原理的に発生しません。アダプターの数が減る分だけ機材全体の総重量も軽くなり、同時に機材への出費も軽減されます。このシステムを採用している人同士ならレンズの貸し借りも容易におこなえるはずです。
新システムはカメラやレンズを機種変更する際にも有利です。従来のシステムではレンズの機種変更毎に3個のアダプター、カメラの機種変更毎に6個のアダプターを入れ替える必要が発生しました。これに対し、新システムではそれぞれの機種変更に対して、入れ替えるアダプターは僅か1個で済みます。長期的に見ても運用コストの大幅な低減につながるのです。
運用中の3台のカメラのうち1つが故障した場合、従来のシステムでは特定のレンズが使用不可能になる可能性がありました。しかし、新システムでは全てのレンズを全てのカメラで使用できますので、そのような事態に陥ることはありません。アクシデントにも強いことがわかります。
カメラの側にヘリコイド機能付きの高性能アダプターを当てると、レンズの最短撮影距離が短縮され近接撮影力が向上しますが、新システムではその効果を6本のレンズ全てで享受できます。また、カメラの側にTECHART LM-EA7のようなAFアダプターを当てると、6本のレンズ全てでAF撮影が可能になります。
このようにライカMマウントをハブにするという考え方にはメリットしかありません。ただし、いくつかの注意点を挙げておきましょう。
まず、レンズとカメラの間に2種類のアダプターを噛ませる場合、アダプターの精度が悪いとガタが出ることがあります。この種のガタは画質にも影響を及ぼします。これを回避するため、少なくともカメラの側に高品質なアダプターを使う必要があります。たとえば日本製のrayqualブランドやコシナ製フォクトレンダーブランドのアダプターは作りの良さと高い精度に定評があります。2種類のアダプターを繋いでもガタが出ることは極めて稀です。

カメラの側に装着するアダプターの一例。右はrayqualブランドのライカM-SEアダプター、左はフォクトレンダーブランドのライカM-FXアダプター。いずれも造りの良さと精度の高さに定評のある製品です。アダプターの連結によるガタを防止するためにも、少なくともカメラの側にこのような高い精度を誇る高級アダプターを使用することをおすすめします



新システムではアダプターを用いて個々のレンズをライカMマウントに変換します。左はLeitz Summicron-R 50mm F2(ライカRマウント)にK&FブランドのライカR―ライカMアダプターを装着しています。中央はKinoptik Apochromat 50mm F2(アリフレックスSTマウント)にHAWK’S FACTORYブランドのアリフレックスST-ライカMアダプターを装着、右はCarl Zeiss Planar 85mm F1.4(コシナ製ニコンFマウント)にrayqualブランドのNikon F―ライカMアダプターを装着しています
 
追記 ライカMマウントの仕様のためと思われますが、焦点距離135mmを超えるレンズをフルサイズ機で使用する場合は、レンズによってはケラレが出ることがあるようです。ご注意ください。

本記事は2018年6月にオールドレンズのポータルサイトLENS HOLICに掲載された記事の再掲載です。

2017/08/03

Leitz 22232 x Techart LM-EA7

私は最近テックアート(Techart)のAFアダプターLM-EA7をSony A7Riiにとりつけ、オールドレンズをAF化して撮影を楽しんでいる。40代も半ばになると動体視力が衰え、老眼が始まるなどMFレンズでの撮影が厳しさを増してくる。そんな中、AFアダプターの登場はとても嬉しい知らせとなった。今回はAFアダプターLM-EA7との組み合わせて使用できる、おススメのマウントアダプターを1本紹介したい
ライカ純正のM42-LMアダプター。無限遠もok!
Leitz 22232 M42-Leicina M adapter x Techart LM-EA7
ライカが自社のカメラにM42レンズをマウントするための純正アダプターを出していた!。そんなことあり得るのだろうかと耳を疑いたくなる話だが、実はホントのことで、製品名はLeitz 22232である。このアダプターはライキナスーパー(Leicina Super)というMマウント(厳密にはライキナMマウント)の8㎜ムービーカメラにM42レンズを装着するためのアクセサリーとして、ライツが1970年代に供給していたものだ。ライキナのマウント部はライカMマウントと同一であるがフランジバックは0.1mm短く、このアダプターでM42レンズをライカのスチルカメラに装着しても、無限遠のフォーカスをギリギリのところで拾うことができない。しかし、0.1mmはわずか紙一重分なので、この程度ならTechartのLM-EA7はもちろんのこと、オーバーインフ気味に作られている中国製アダプターとの組み合わせの多くで、無限遠のフォーカスを問題なく拾える。このアダプター、実は使えるアイテムなのだ。
Leitz 22232 M42-LM(Leica M) ADAPTER: 重量(実測)50g, レンズ側 M42x1mm(Praktica/Pentax thread), カメラ側 Leica Mマウント, Leicina Super(8mm movie camera)用, 鏡胴内は内面反射塗料が塗布され、遮光線が切ってあり、光の反射を抑える仕様になっている。ドイツ版ebay にて99ユーロ+送料で入手した



私が所持しているレンズ資産の中でM42レンズは大きな勢力なので、M42-LMアダプターはAFアダプターの次に入手しなくてはいけない必須アイテムなのだが、現在市場で手に入る製品を見回すと中国製ブランドのKiponがLM-EA7に正式対応したアダプターを出している。日本製のrayqualブランドは工作精度の抜群に良いアダプターであるが、LM-EA7への対応は不明で、ユーザーからの報告も今のところ見当たらない。そうした中でrayqualに決めようか検討していたところ、今回のアダプターの存在を知り、面白そうなので入手することにしたのだ。
実はLM-EA7に組み合わせるアダプターを選ぶ際に注意しなければならないことが一つあり、モーターカバーへの干渉である。LM-EA7はレンズ側にモーターカバーが飛び出しているため、鏡胴径の太いマウントアダプターではこの部分に引っかかってマウントすることができないのだ。鏡胴径の小さな細身のアダプターなら何ら問題のないことではあるが、何でもよいというわけではないので、事前に対応をよく調べる必要がある。
今回手に入れたLeitz 22232は鏡胴が細身なうえライツブランドなので造りがよく、工作精度もたぶんよい。鏡胴内にはまともな反射防止塗料が使われており、安価なアダプターを用いるよりもハレーションの発生量は少ない。LM-EA7との組み合わせにおいてもガタつきは全くない。とてもおススメのアイテムだ。ebayでの購入額は99ユーロ+送料と高級アダプターと変わらない額で手に入った。相場は不明だがドイツ版eBayには自分が手にいれた個体以外に4~5個出ており、値段は100~250 ユーロ程度であった。
マニアやプロがアダプターの工作精度に拘るのは、サードパーティーのアダプターを介することによる光軸からの偏芯を極力抑えたいためで、これはレンズ本来の力を維持するために重要なことなのだ。工作精度の高い日本製アダプターが支持されるのはこうした理由からによる。ただし、工作精度が一般的な中国製アダプターの10倍であることが実写においてどれだけ意味のある効果を生むのか、ここについてはもっと踏み込んだ検証結果をアダプターメーカーや関連の専門紙が示してゆく必要がある。単なる気休めや幻想ではないということを示さなければ、本物思考のマニア達の心はいずれ離れて行く。日本のアダプター製品が世界のみならず、国内市場においても安価な中国製アダプターに飲み込まれてしまうのは、まさにその時なのであろう。私は日本人なので、そうなってほしくはない。アドバンテージはとても小さいのかもしれないが、それでもアドバンテージを示すことには幻想を打ち破る大きな意味があるのだと思う。これは重要なこと。だって、みんなメード・イン・ジャパン好きでしょ?

(2017年12月追記)
rayqualブランドのアダプターで知られる宮本製作所がアダプターの工作精度と画質の関係を公式ページに掲示してくれました。アダプターに0.2mm(紙一枚分)の傾きがあるだけで、写真の四隅における画質の低下が目立っています。
rayqualのアダプターは工作精度が抜群に高く、ガタのない気持ち良いアダプターをつくっており、レンズの無限指標のところで無限遠のフォーカスを精密に拾うこともできます。アダプターを何枚か組み合わせるとわかりますが、工作精度の低いアダプターでは装着したレンズにガタつきが目立ち、光軸ズレを起こしているため、レンズ本来の性能を発揮できません(こちらのページ参照)。工作精度の低いアダプターは安価な製品に多く見られます。
私はrayqualとコシナのつくるフォクトレンダーブランドのアダプターが大好きで、両ブランドのアダプターを何枚か所持しています。もちろん安価なブランドもいろいろ使っていますが、rayqualの記事を見て使いまわしの効くアダプターにこそお金をかけなければならないという思いがますます強くなりました。rayqualブランドは価格的にも勝負しているところがスバラシイと思います。

2012/12/03

M42-Nikon F mount adapter


Nikonの一眼レフカメラでM42マウントレンズを使用するためのマウントアダプター。補正レンズの無いタイプ(左から3枚目まで)と補正レンズの付いているタイプ(いちばん右の1枚)に大別される
マウントアダプターはどこまで薄く造れるのであろうか?M42-Nikon Fアダプターにみる極薄設計の限界
  マウントアダプターを用いてNikonの一眼レフカメラにM42レンズを搭載する場合、フランジバック長の規格の関係で無限遠のフォーカスを拾うことはできない。しかし、アダプターが極薄く設計されていれば、中望遠レンズで4~6m先の被写体に対してフォーカスを拾うことができ、ポートレート撮影ならばギリギリ何とかこなせる。M42-Nikon Fアダプターは極薄設計が求められるストイックな製品分野なのである。いったい、どこまで薄く造れるのであろうか?
  現在、eBayなどの市場に出回っているM42-Nikon Fアダプター(補正レンズ無しタイプ)は一部のEU製品を除き、その大半が中国製とロシア製で占められている。一般にこの種の製品にはブランド名がなく、設計仕様も公開されていない。中国製アダプターの場合、eBayでの販売価格は日本への送料を含めても1.88ドル前後(約150円)からと鼻血が出る程安い。典型的な製品を以下に写真で示す。

マウント部がフラットなタイプの中国製アダプター。流通価格は送料込みで2ドル弱からと最も安い(流血アダプター)。素材はアルミ合金で厚みは0.9mm(実測)程度である。シルバー色のタイプも存在するが、こちらはもう少し値がはる

外枠がコの字型に折れ曲がったタイプの中国製アダプター。流通価格は送料込みで3ドル強くらいからとなっている。アダプターの厚みは0.65mm(実測)と中国製の中ではかなり薄い製品だ。シルバー色の真鍮製タイプも存在するが、こちらの厚みは1mm程度と少し厚めに設計されていた

補正レンズが入っている中国製アダプター。香港製として売られていることもある。eBayでは8ドル程度(送料込み)からみつかる。装着するとレンズの焦点距離が1.4倍換算になってしまうが無限遠のフォーカスを拾うことができる。ただし、余計なレンズが一枚加わる分だけレンズ本体の性能を損ねることになる

  値段が極めて安いので、幾つか異なる製品を購入し使い勝手を比較してみることにした。すると、面白いことにアダプター毎にフォーカスを拾うことのできる撮影距離の範囲が異なるのである。もちろん、この種のアダプターで無限遠までのフォーカスを拾うことは物理的に不可能である。あるアダプターに75mmの中望遠レンズを搭載し用いてみたところ、ピントは最長で4.7mまで拾うことができた(距離はレーザー距離計で計測)。ところが同じレンズを別のアダプターで用いた場合には3.5m程度先までがやっとであった。こうした差異が生まれる原因はアダプターの厚みが製品毎に異なるためだ。今回入手したアダプターは全部で5種類だが、ノギスで各アダプターの厚みを計測してみたところ、0.5mm~1mmと製品ごとにバラバラであることがわかった。最も薄く設計されていたのはEU製の0.5mmタイプでeBayでの価格は32ドルと、この種の製品にしては高値で売られていた。中国製のアダプターの中にも比較的薄く設計されているものがあり、私が入手した中で最も薄く設計されている製品は0.65mm厚であった。薄ければ薄い程フォーカスをより遠くまで拾えるので実用性は高い。しかし、その反面で耐久性が落ちる。そこで、いくつかのアダプター製品では外枠がコの字型に折れ曲がった構造を持つなど工夫がみられる。マウント接触面の歪みを抑え耐久性を向上させるとともに、カメラ側のマウント座金に対して包み込むようにフィットするのでガタも出にくいというわけだ。

こちらのアダプターは厚さが0.9mmある。Nikonの一眼レフカメラにマウントし焦点距離75mmの中望遠レンズで撮影してみたところ、フォーカスを拾うことのできる最長距離は3.8mであった
こちらのアダプターは中国製だが厚さが0.65mmと入手したものの中では比較的薄く設計されていた。Nikonの一眼レフカメラにマウントし焦点距離75mmの中望遠レンズで撮影してみたところ、フォーカスを拾うことのできた最長距離は4.3mであった


おこれは経験則だが、薄型のアダプターを手に入れたいならば真鍮製よりもアルミ製を選ぶ方が安全だ。今回注目したM42-Nikon Fアダプターの場合、今のところ私が調べた範囲での最薄製品は0.5mm厚のアルミ製アダプターであった。この程度の厚みがスペーサーを持つアダプターにおける設計限界なのかもしれない。0.7mm厚で造られているEXAKTA--EOSアダプターや0.6mm厚のROLLEI QBM--EOSアダプターなどは耐久性的に限界に近いということになる。Leica-RとNikon Fはフランジバック長の差が0.5mmなので、一見するとアダプターを造れるのではと思い込んでしまうが、Leica-RマウントのバヨネットはNikon Fマウントの口径に収まらないのでアダプターの設計は物理的に不可能となる。仮に造れたとしても0.5mm厚の軽金属でLeica-Rマウントの重量級レンズ達を支えるだけの耐久性が得られるのかどうかは疑問だ。そのかわりにLeica-Rレンズのマウント自体を取り外しNikon Fマウントに変換することは可能で、そのための交換マウントが市販されている。

2010/09/09

あった!無限遠にもピントが合うEXAKTA-EOSマウントアダプター

ネットオークションで購入した中国製のEXAKTA-EOSマウントアダプター。材質は左がアルミニウムで右は真鍮。どちらの製品もeBayの商品解説では無限遠方のピントを拾うことを保障しているが、著者が購入しテストした品では合焦不可能だった

本ブログではeBayやヤフオクからM42マウント用レンズを入手して紹介しているが、代わりにEXAKTAマウント用レンズで代用することがある。この時に活躍するのがEXAKTA-EOSマウントアダプターで、その名のとおりEXAKTAマウント用レンズをキャノンEFマウントに変換し、EOSのカメラ本体に装着するための道具だ。そもそも、EOSのフランジバック(レンズのマウント面からフィルム面や撮像素子面までの距離)は44mmであるのに対し、EXAKTAのフランジバックは44.7mmと若干長いことから、アダプターを用いて0.7mmの厚みを埋めてやれば、EXAKTAマウント用レンズがEOS本体でも使用できるというわけ。ちなみにEOSのレンズをEXAKTAのカメラ本体で使用するという逆の操作は物理的に不可能だ。
さて、0.7mmの厚みを持つマウントアダプターを製造するのは耐久性の観点からかなり難しい。このため市販されている多くのアダプターは0.7mmよりもやや厚めに設計されている。つまり、無限遠方まではピントが合わないのだ!。どうにか無限遠方のピントを拾うダプターを探し出すことはできないものかとeBayをあてもなく徘徊し、やっと見つけることができた。
こちらが無限遠までのピントを拾うことに成功したマウントアダプター。eBayでは30㌦程度の安価な値段で売られている。35mm, 40mm, 135mmの3種類のレンズで合焦に成功した
EXAKTA-EOSマウントアダプターは中国製の品が多く流通しており、日本製の品もKindaiインターナショナルから発売されている。素材は耐久性の高い真鍮製(銅+亜鉛の合金)のものと、アルミ製の2種類があり、値段も安いものでは18㌦程度から揃っている。その幾つかは無限遠点への合焦を保障しているので、「ホンマかいな?」と保証品を片っぱしから購入し検査してみた。その結果、衝撃の事実が判明したのだ。高い剛性を誇る真鍮製のアダプターでは、どれ一つとして無限遠のピントを拾うことがなかった。中には何と約3m先までしか合焦しない品もあり、そんな品が「無限遠までピントが合うことを保障します」と明記され、普通に売られているのだ。勿論、製造精度からくる個体差という可能性もあったのかもしれない。ちなみにkindaiインターナショナルのアダプターも真鍮製だが、この品の説明書には、やや無限遠が出ないため絞り込んで撮影してくれと明記されている。焦点距離ごとに何㍍先までピントを拾うのかが詳しく記されていた。中国製のNG商品に対して出品者に問い合わせ、返品の要請と無限遠が出ないことを告げると、レンズの側の問題の可能性を指摘してくる場合があった。手元にある焦点距離35mm、40mm、135mmのレンズの全てで無限遠が出ないと抗議すると、すんなり返品に応じてくれた。こうして、しばらくのあいだ購入と返品を繰り返していたところ、市販品の中に無限遠の出るアダプターを見付け出すことができた。前述の3種類のエキザクタマウント用レンズに対して、EOS kiss x3においてきちんとピントを拾ってくれたのだ。
ノギスで厚みを測ると0.65mm。EOSとEXAKTAのフランジバック差が0.7mmなので、これで無限遠に届いている


追伸
この記事はAPS-C規格のカメラに装着することを前提に記載しています。無限遠方のフォーカスを拾えるEXAKTA-EOSアダプターはフルサイズ機のEOS 5D/6Dで間違いなくミラー干渉します。ご注意ください。