おしらせ


2013/09/14

Carl Zeiss Jena Tessar 80mm F2.8(M42/EXAKTA)


中判撮影用に設計された一回り大きな光学系を採用することでコントラストを控え目に抑え、なだらかなトーン描写を実現した焦点距離80mmのTessar(テッサー)。シャープネスは落ちるものの中間部の階調が豊富に出るため、モノクロ撮影の時代のニーズに応える軟らかい描写表現を実現している。私にとっては相性の良いお気に入りの一本だ。レンズが登場したのは1951年で、コーティング技術や新種ガラスの普及により写真用レンズのシャープネスが著しく向上した時期である。鋭く硬階調な描写表現を得意とするテッサーであれば、これらの技術革新によってシャープネスを更に極め、異次元の階調性能を手にすることも可能だったはずだ。しかし、今回取り上げるテッサーには、こうした技術革新の潮流を敬遠するかのような描写理念を感じる。この時代のテッサーはなだらかな階調描写を求め、シャープネス偏重主義からの脱却をはかろうとしていたのではないだろうか。

ポートレート用テッサー型レンズ PART1:
なだらかなトーンと妖しいボケ味が魅力
Carl Zeiss Jena Tessar 80mm F2.8

1950年代は35mm判で中望遠画角となる焦点距離80mmのTessar(テッサー)型レンズが各社から供給されていた。このジャンルの製品には不可解な共通則があり、明らかに35mm判用(M42やEXAKTAマウント)として供給されていたにも関わらず、光学系には何故か一回り大きな中判撮影用レンズ(6x6フォーマット)からの流用が目立っている。今回紹介するTessar 80mm F2.8も元は中判カメラのEXAKTA66用に設計された製品のマウント部をメーカーが改変し、EXAKTA用やM42用レンズとして発売したモデルである。初期のモデルはEXAKTA66用のレンズがマウントごとすっぽりと鏡胴内に収納されており、取り外すとEXAKTA66に装着し使用することがでた。35mmフォーマットのカメラで使用することを前提にレンズの開発をするならば、その規格に合った大きさの光学系を用いるほうが高解像で高コントラストな描写性能を実現できるので一般には有利である。中判レンズの流用については生産ラインを同一にし製造コストを圧縮したかったという解釈も考えられる。しかし、わざわざ大きな光学系(硝子)と大きな鏡胴を導入したのでは原材料にかかる費用がかさみコスト的なメリットは相殺してしまう。明らかに非合理的だ。何がそれを許しどういう意図が働いたのであろうか。中判用レンズの流用については他にもSchneider Xenar 80mm F2.8, Meyer Primotar 80mm F3.5および85mm F3.5, Industar-24M 80mm F2.8, Kilfit Macro Kilar 90mm F2.8など多数の事例があり本レンズに限ったことではない。これだけ多くの事例が存在するのだから、何か特別な意味があったと考えるほうが自然である。時代はモノクロ撮影全盛期。なだらかで美しいモノクロのトーン描写を実現するために一回り大きな光学系を採用することで内面反射を故意に誘発し、コントラストを低下させ、階調硬化を抑止したかったのではないだろうか。このレンズは7年間で35000本近く売れたヒット商品である。
重量(実測)310g, 絞り値 F2.8-F22, 絞り機構 プリセット, 絞り羽 16枚, 最短撮影距離 0.9m, フィルター径 49mm, シングルコーティング。光学系は3群4枚のテッサータイプ。対応マウントにはM42とEXAKTAがある









Tessarと言えば諸収差がバランスよく補正され、ハロやコマが殆んど出ず、高いコントラストと鮮やかな発色、階調描写が鋭く硬調なことが本来の特徴である。シャープな描写力を宣伝文句とし、1902年の発売以来「あなたのカメラの鷲(わし)の目」というキャッチコピーで売られていたのは有名な話だ。他にも画角特性(四隅の画質)が良いことや収差変動が少ないことなどテッサータイプのレンズは数多くの長所を持つ。また、解像力よりも階調性能を優先した設計については線が太く力強い描写を特徴にもつグループの一員と言える。新しいモデルほど階調が硬く鋭い描写で、コントラストが高く発色も鮮やかなためカラー撮影に好まれ、反対にモノクロ撮影の場合は古いモデルが好まれる傾向がある。メーカーが描写の硬質化を憂慮し階調性能にブレーキをかけたとする本ブログの主張には、これといった根拠があるわけではない。ただし、これも不可解な事例であるが、1970年代初頭から一斉に登場したZeiss Jenaの黒鏡胴シリーズ(Flektogon / Pancolar / Biometar / Sonnar)が軒並みMC化されてゆく中、TessarのみMCのロゴが記されずマルチコーティング化が見送られていた事実をどう説明すればよいのだろうか。MC化したほうが高コントラストで鋭く硬い階調描写になることは誰の目にも明らかである。

Tessar F2.8の設計。左側が前、右側がカメラ側である。構成は3群4枚で、1902年にCarl ZeissのPaul RudolphとErnst Wanderslebにより発明された。トリプレットの後群を2枚のはり合わせに置き換えた発展レンズであるが、特許書類には独創性を力説するためトリプレットの発展形ではなくプロターとウナーのハイブリットレンズであると解説されている。前群ユニットにはガラス間に設けられた空気の隙間(空気レンズ)の作用により単体で球面収差とコマ収差を補正する能力があり、ガラス硝材の選択により軸上色収差とペッツバール和も補正可能である。後群のダブレットは新色消しユニットになっており、この部分で非点収差と色収差を補正することができるが、球面収差については単体で補正できないので前群の空気レンズの発散作用を利用することで包括的に補正している。トリプレットに比べ非点収差の補正力が高く、四隅の解像力の向上とグルグルボケの抑止を実現している。Tessarは全ての収差がバランスよく高いレベルで補正でき、F2.8という明るさでハロやコマが殆んどでないことから、高いコントラストを実現することができる優れた光学系である。Tessarはその後、同社のW.Merte(メルテ)博士による1931年の設計でF2.8まで明るくなり、更に1947年から1948年にかけて同社のH. Zollner博士が新種硝材を導入した再設計により球面収差とコマ収差の補正効果が大幅に向上している
今回取り上げる1本は旧東ドイツのZeiss Jenaが1951年から1958年まで生産したTessar 80mm F2.8である。ExaktaマウントとM42マウントの2種のモデルが市場供給されていた。レンズの設計は1947から1948年にかけてであり、1946年にフォクトレンダー社から移籍してきたHarry Zollner(ハリー・ツェルナー)博士(1912-2008)の手によるとされている[Jena Review 1984/2参照]。Zollner博士は戦後のZeissを代表する設計者の一人であり、後にBiometar, Flektogon 35mm(前期型), Pancolar F1.8を設計した人物として知られている。レンズの口径サイズは50mmの標準レンズに換算しF1.75相当とかなり大きく、数あるTessarタイプのレンズの中でもひときわ大きなボケ量が得られる表現力豊かなレンズである。Tessarの中望遠モデルは1950年代に販売された本品のみであり、やがて高性能なBiometarが台頭し、さらにダブルガウス型レンズの性能が成熟した事により、中望遠レンズのジャンルから追い出されてしまったようである。

入手の経緯
本品は2012年5月にeBayを介してチェコのカメラメイトから即決価格にて落札購入した。商品は初め350ドルで売り出されていたが、値引き交渉を受け付けていたので送料込みの285ドルを提案したところ私のものとなった。商品の状態はショップの格付けで(A)と評価されており、「エクセレントコンディションの完全動作品。ヘリコイドリングと絞りリングの回転がやや重い。硝子の状態は良好」とのことであった。カメラメイトの場合、商品によっては2割引きを提案すると拒否されることがあるが、今日のセラーはご機嫌だったようである。80mmのテッサーは50mmのものに比べると中古市場の流通量が少ないため高値で取引される傾向がある。eBayでの中古相場は250-350ドル位であろう。届いた品はやはりヘリコイドリングと絞りリングの回転がカッチンコッチンに重かったが、「オールドレンズメンテナンス教室」を受講しメンテ技術を習得。自分でグリスアップし状態を改善させることができた。

撮影テスト
本レンズの特徴は何と言っても軟らかい階調描写による心地よいトーンと妖しい後ボケである。コントラストはTessarにしては低めで、その分だけ中間部の階調が豊富に出る。開放でもコマやハロは少なく、スッキリとヌケが良い写りである。解像力は可もなく不可もなく平凡で、線が太く力強い描写である。ピント部は四隅まで安定しており画質の均一性が高い。発色が温調寄り(アンバー色に)に転ぶのはこの時代のZeiss Jena製品に共通する性質で、ガラスの経年劣化に由来するオールドレンズ的な効果のひとつである。この特徴はリバーサルフィルムで撮影するとかなりはっきりとみられる。一方、デジタルカメラで使用する場合にはカメラによるカラーバランス補正が自動で働くのでノーマルに近い発色となる。ネガフィルムを用いた撮影では大変味わい深い発色が得られる。ボケ量の大きな準大口径レンズなので、ポートレート撮影にも対応できる充分な表現力を備えている。このレンズの写りはとても好きだ。

銀塩撮影:
  ネガ:Agfa Vista 100 / Fujicolor S200
  ポジ: Rollei Digibase CR200PRO-135
デジタル撮影:
  EOS 6D


F5.6 銀塩撮影(Fujicolor C200ネガフィルム): タイトルは「おさななじみ」。オールドレンズフォトコンテストに出品した作品のひとつだ。影の中に小便小僧が一人混じっている。レンズの持ち味であるなだらかで繊細な階調とフィルムの性質がうまく協調している

F2.8(開放)銀塩撮影(Fujicolor C200ネガフィルム): うーん。このレンズとは何だか相性のよい予感である

F2.8(開放)銀塩撮影(AGFA vista 100 ネガフィルム): 味のある美しい発色だ。焦点距離が80mmもあれば開放絞り値がF2.8であっても立派な準大口径レンズなので、ポートレート撮影に十分対応できる大きなボケ量が引き出せる
F2.8(開放) 銀塩撮影(AGFA vista 100ネガフィルム): 主題を引き立たせる妖しいボケ味。オールドレンズならではの素晴らしい性質だ
F5.6(開放)銀塩撮影(AGFA vista 100ネガフィルム): テッサーは撮影距離による収差変動が小さく、近接撮影においても充分な性能を発揮する

F5.6, EOS 6D デジタル(AWB): 続いてデジタルカメラによる撮影結果。一転してスッキリはっきりとした普通の写りになる。これはこれでよい
F4, EOS 6D デジタル(AWB) 周辺部まで解像力は十分。メインの被写体を四隅においてもなんら心配はない



F4(カラーポジフィルム Rollei Digibase CR200PRO-135) リバーサルフィルムを用いる場合、発色が黄色に転ぶ性質がよくあらわれる。デジタルカメラやネガフィルムによる撮影結果が、いかにカラーバランス補正の影響をうけているのかがよくわかる。ポジではシャドーの階調が厳しくなり黒潰れ気味だが、階調変化はとてもなだらかで美しい

2013/08/29

Isco-Göttingen WESTROGON 24mm F4 (M42)

人の目の視野よりも遥かに広い画角で画面の四隅にメインの被写体を捉える広角レンズ。沢山の物が写り過ぎてしまうことから常用レンズには不向きだが、ここぞという時の一発勝負で面白い構図を実現させてくれる頼もしいピンチヒッターだ。中でも特に面白いのが焦点距離25mm未満の超広角レンズで、四隅をうまく使えば複数のドラマを一枚の写真に同居させることができる。単に風景(遠景)を撮るだけなら30mm~40mmの準広角レンズでも充分だが、超広角レンズは四隅に据えたメインの被写体と画面を支配する風景を高いレベルで融合させることができるのだ。被写界深度が極めて深いため数段絞るだけでパンフォーカスにもなる。

超広角レンズの戦国時代に登場した
ISCOの弩迫力レンズ
1950年に世界初のスチル撮影用レトロフォーカス型広角レンズとなるAngenieux Type R1 35mm F2.5が登場し10年の歳月が流れた。レトロフォーカスの仕組みは単にバックフォーカスを稼ぎ一眼レフカメラへの適合を助けるだけではなく、周辺光量の減少を防いだり、ペッツバール和を抑制し周辺画質を改善させるなど、広角レンズの設計に数多くの利点を生み出すことがわかっていた。こうした長所に目をつけたレンズメーカー各社は、超広角レトロフォーカス型レンズの実現に向け研究開発にしのぎを削っていた。しかし、包括画角を広げながら写真の隅々まで一定レベルの画質を維持するのは容易なことではなく、1959年にCarl Zeiss Jena Flektogon 25mmF4とAngenieux Type R61 24mmF3.5が登場するまで、この種のレンズが焦点距離を10mm短縮させるのに10年近くもの歳月を要している。
今回取り上げる1本はSchnaiderグループ傘下のIsco-Göttingen(イスコ・ゲッチンゲン)社が1959年に発売したM42マウントの超広角レンズWestrogon(ウエストロゴン) 24mm F4である。Schneiderグループと言えばLeitzへのOEM供給として1958年にSuper-Angulon 21mmを先行投入しており、後にレトロフォーカス型広角レンズの分野にも積極的に参入している。ただし自社ブランドによる超広角レンズは意外なことにWestrogonのみであった。本レンズの第一印象はやはり強烈なインパクトを放つ鏡胴のデザインであろう。FlektogonやEurygonのゼブラ柄デザインも凄かったが、Westrogonはそれらに勝るとも劣らない堂々とした存在感である。本品には焦点距離の異なる3本の姉妹レンズがあり、準広角レンズのWestron 35mm F2.8、標準レンズのWestrocolor 50mm F1.9, 望遠レンズのWestanar 135mm F4などがWestrogonと共に市場供給されていた。これらは明らかに旧東ドイツのZeiss製品に対抗することを意識したラインナップである。その決定的な証拠はレンズの光学設計(下図)の中からも読み解くことができる。

Westrogon 4/24の光学系。1960年のチラシからトレースした。構成は6群8枚のレトロフォーカス型。Carl Zeiss Jena Flektogon 35mmの光学系をベースとしており、第2群にはり合わせ面を持つ1群2枚の色消しユニット(新色消し)この部分で非点収差と倍率色収差を強力に補正することで四隅の画質を補強し、超広角に耐えうる性能を実現したものと思われる。
光学系は6群8枚で一見複雑で独特な構成にも見えるが、よく見ると第2群のはり合わせレンズを取り除けばFlektogon 35mm F2.8(初期型1950年登場)の光学系そのもので、後群はBiometarである。つまり、Westrogonは旧東ドイツのZeiss Flektogon 35mmおよびその設計の元になったBiometarから発展したレンズなのである。第2群には「新色消し」ユニットを配置し非点収差と倍率色収差を補正(詳細は上図のキャプションを参照)、更なる広角化のために四隅の画質を補強したレンズということになる。レンズを設計したのは東ドイツのVEB Zeiss Jena社でフレクトゴンの設計にかかわったRudolph Solisch(ルドルフ・ソリッシ)という人物で、1956年にZeiss JenaからISCOに移籍している(Pat. DE1.063.826)。最前部に大きく湾曲した凹レンズを据えているのはレトロフォーカス型レンズに共通する特徴で、バックフォーカスを延長し一眼レフカメラに適合させる働きがある。また、この部分に備わった光線発散作用により第2群の新色消しユニットで補正できない球面収差を補正することができる。両レンズ間の凸空気レンズの働きを利用すれば球面収差の中間部の膨らみを叩く事もでき解像力の向上に効果がある。
 
入手の経緯
2012年12月にebay(ドイツ版)を介しドイツの写真機材店から即決価格で落札購入した。商品ははじめ179ユーロで売り出されていたが値切り交渉によって159ユーロ(+送料40ユーロ)で手中に収めた。商品の状態については、「グット。鏡胴には僅かに傷がある」と簡素であったが、このセラーは大きな問題を抱えた商品以外で「グット」と簡単に評価するのが慣例文句のようなので、状態は良好と判断。商品は1週間で届き、やはり状態の良い文句なしの品であった。今回は幸運にも安く購入できたが、ややレアなレンズなので本来は200ユーロを超える額で取引されることも珍しくは無い。しかも、中古市場に出回る製品個体はEXAKTAマウントが大半であり、M42マウントの個体が出てくることは極めて稀。本来はもっと高価なのだと思う。ラッキーな買い物であった。
重量(実測)436g, 絞り羽 8枚, 最短撮影距離 0.5m, フィルター径 82mm, 絞り F4-F22, 半自動絞り, 焦点距離 24mm, 光学系は6群8枚構成のレトロフォーカス型, EXAKTAマウントとM42マウントの2種のモデルが存在する
撮影テスト
Camera: デジタル:EOS 6D / 銀塩:minolta X-700
EOS 6Dではフォーカスを無限遠近くにあわせると後玉のガードがカメラのミラーに干渉するので、ミラーアップ・モードで撮影することが必須となる。X-700ではミラー干渉の心配はない。

超広角レンズの描写性能で特に期待を寄せる部分は周辺部の画質だ。WESTROGONの場合は四隅のごく近くで解像力が不足し、開放では若干の周辺光量落ちもみられる。ただし、歪み(歪曲収差)は非常に良く補正されており、微かに樽型だが通常の撮影では殆んど判別できないレベルに抑えられている。ハロやコマは開放でも殆んど目立たずスッキリとヌケの良い写りだ。逆光撮影には弱く、撮影条件が悪いと画面の一端(空などの光源側)からフレアが発生しコントラストが低下気味になる。カラーバランスはノーマルで、フレアさえ出なければ発色も悪くない。黎明期の超広角レンズに解像力の高さを求めるのは期待のかけ過ぎであろう。広い包括画角の全画面に渡り、破綻の無い画質を実現する事が精一杯の目標だったからである。むしろ、これだけまともに写るWESTROGONの描写性能に敢闘賞を捧げたい。
F8, EOS 6D(AWB): このスカッとした開放感は超広角レンズならではのものだ!歪みは殆んど判別できない

F8, EOS6D(AWB): ホイアンの民芸品店。ろくろ台の上に陶土を置き変形させるところ。表情はサブの被写体として四隅に配置した
F8, EOS6D(AWB): そして完成!あっという間の出際良さで、さすがに職人だ。殆んど見ずに造っていたような作業工程だった
F11, 銀塩ネガ(Fujicolor S200): 今度はフィルム撮影。とてもヌケがよくコントラストも良好だ
F8, EOS 6D(AWB): 四隅の近辺で解像力不足がみられる
F11, EOS 6D(AWB): パンフォーカスによる一枚。フレアが出やすいのは、この種の超広角レンズによくあることだ。フードを装着すれば少しは改善するかもしれない(私はケラレの心配を憂慮し未装着)。曇り空のもとフレアが発生するとコントラストは下がり気味で、淡くあっさり目の発色傾向になる。写真はベトナムの日本橋で撮影したもの。この橋はホイアンを拠点に朱印船貿易で財を成した日本人が16世紀に建てたもので、ベトナム戦争でも破壊されず、現在は世界遺産の街ホイアンのシンボルになっている






F8, EOS 6D(AWB): 橋の袂(右下)、ピンク色の壁の付根あたりに注目。四隅での解像力不足が良くわかる。この橋の近くにある屋台でカメラオタク風の3人の外国人観光客(男性)に声をかけられた。3人は既に意気投合している様子で、そこに私がカメラをぶら下げて同席したというわけだ。相手の熱いまなざしに、はじめホモの男喰家集団ではないかと恐れたが、一人はオリンパスのフォーサーズ機にMFレンズを装着したフランス人、2名のアジア人の片方がM42のTakumarをEOS 5Dに装着しており、なんだそういうことかと安心した。その後、私のWestrogon+EOS6D渡すと楽しそうに試写していた。4人でベトナム風あんみつのチェーを食べながらレンズ話に盛り上がったひと時であった


F5.6, EOS 6D(AWB): 我娘もろくろ台を使った陶器造りに挑戦。楽しそう

超広角レンズは使っていてとても楽しいアイテムである。被写界深度が極めて深く目測でもピントあわせができるので、構図を考えることに集中できる。手に入れる機会があれば今度はBIOGON 21mmあたりにもトライしてみたい。