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オールドレンズ女子部
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オールドレンズ写真学校12月ワークショップ
今月は12月17日(日)の予定です。まもなく正式な発表と申し込みの開始が始まります。

2010/09/05

Schneider-Kreuznach JSOGON 40/4.5アイソゴン

40mm準広角レンズ第二弾
シュナイダー社初の一眼レフカメラ用広角レンズ
1950年頃の一眼レフカメラ用広角レンズには40mmの焦点距離を持つ準広角レンズが数多く存在した。Carl Zeiss Jena社のTESSARをはじめ, MeyerのHELIOPLAN,  KilfittのMAKRO-KILARなど各社から4枚玉のレンズが供給されていた。今回とりあげるJsogon(アイソゴン[注1])40mm/F4.5もそのうちの一本で、名門Schneider-Kreutznach社が1951年に製造した準広角レンズだ。製造本数は僅か725本と稀少性が高い。このレンズの光学系についてはトリプレットやテッサーという説もあるが、そうだとすれば同社のRadionarやXenarと被る。他には4枚構成という説もありWEB上には4群4枚という踏み込んだ情報もみつかる。この時代に3群のテッサータイプではなく4群4枚の設計をとるのは画質的に不利なので不自然だが、情報が極めて乏しいので光学系の詳細については完全にお手上げ状態だ。本品はCarl Zeiss Jena Tessar 40mmに次ぐKine-Exakta用に供給された広角レンズの第二号だそうである。
鏡胴は真鍮製クロームメッキ仕上げで、コンパクトながらも手に取るとズシリとした重量感が伝わってくる。前玉がフィルター枠よりもだいぶ奥まったところに位置しており、鏡筒がフードとしての役割を兼ねている。Jsogonというブランド名も焦点距離40mmのレンズもこのレンズ一代限りで姿を消し、同社のその後の一眼レフ用広角レンズはレトロフォーカスタイプで供給されている。

[注1] JSOGONとかいてアイソゴンと読むそうだ。ドイツ語にはJとIの読みが入れ替わることがあり、例えばエキザクタで有名なイハゲー社はJHAGEEと書く。

絞り羽根は8枚構成, 焦点距離40mm, 絞り値:F4.5-F16, 重量(実測):272g, 最短撮影距離:0.5m, 絞り機構はプリセット。対応マウントはEXAKTAとM42

★入手の経緯
本品は2010年3月にeBayを介し、米国ラスベガスの中古業者から120㌦の即決価格で落札購入した。オークションの解説には「クモリ入りだが鏡胴は新品の様に綺麗な状態」とあった。クモリ取りの修理に出せば元が取れるだろうと考え、思い切って購入してみた。Jsogonは名門シュナイダーの珍品とあって本来の中古相場はかなり高く、eBayでは状態の良い品が400~500㌦、クモリ玉でも250~300㌦で売られている。
商品は1週間後に届いた。ガラス面は確かに白濁していたが鏡胴はピカピカで、外観は経年を考えれば奇跡としかいいようのない状態であった。どうか良くなりますようにと願をかけて修理業者に持ち込み、その2週間後に修理から返ってきたが、残念ながらクモリを完全に除去することはできずガラスの表面にプツプツと薄いクモリが残ってしまった。ガラス面の傷を埋め合わせるだけの簡易的な施術では、このあたりが限界なのであろう。完治させるにはガラスの研磨とコーティング皮膜の蒸着ができる特別な業者に持ち込んで、本格的な修理を行うしかないようだ。
★撮影テスト
今回入手したJSOGONは本来の光学性能が発揮できない個体だ。クモリが描写に与える影響としては以下の2つが考えられる。
①ガラス面での光の透過率が低下しフレアが発生
クモリの正体であるガラス面上の小さな傷によってレンズに入ってきた光が乱反射し、その一部がレンズ内で全反射を繰り返しながら留まる。こうして生じた内面反射光の蓄積がフレアとなる。画質面においては暗部が白っぽく浮きあがりコントラストが低下するという影響がでる。メリハリのない解像感の乏しい結果を招くこともある。この影響を軽減させるためにはフードをつけてしっかりハレ切りをおこない、深く絞って撮影する必要がある。

②ガラス面での光の屈折率が変化し鮮明感が落ちる(結像がソフトになる)
ガラス面上のクモリが発生している場所では光の屈折率が変化してしまう。そのため、各収差の補正計算に狂いが生じ、結像が不鮮明になるなどレンズが本来持っている光学性能を発揮できなくなる。深く絞って撮影すれば画質は少し改善するものの効果は限定的。
これらの影響を加味した上で、以下では深く絞った作例を提示し、JSOGONが持っている100%の状態を想像してみたい。深く絞ればコントラストは改善し暗部は落ち着きを取り戻すが、依然として鮮明感の乏しいソフトな描写が予想される。ソフトフォーカスレンズとして使用するには好都合だ。
F8 これくらい深く絞れば屋外での撮影においてもフレアは気にならないレベルで、コントラストの高さは充分だ。階調変化のなだらかさが乏しく、暗部でストンと落ちる硬質な描写だ。周辺部の結像はクモリの影響でポワーンと甘く不鮮明

F8 晴天時に遠景を撮影したところフレアが発生しシャドー部が明るく白っぽくなってしまった。深く絞っているものの結像はソフトだ。ここは木々の中を電車が駆け抜けるように見えるお気に入りの場所

 
F11 日没後の綺麗な空。こういう黒主体でコントラストの高いケースにおいては、光の内面反射(フレア)を逆手に利用して黒潰れを防止するなんてことができるのかもしれない

恐らくクモリがなければ鋭い描写と力強い発色を武器とする優秀なレンズなのであろう。クモリを完全に除去するには、ガラス面の研磨とコーティング皮膜の蒸着ができる高度な技術をもった業者に修理をおねがいするしかない。日本でこの技術を持つ業者は私の知る限り数カ所しかない。予算的には最低でも1.5万円~3万円程度はかかる。業者によってはレンズ径が1.5cm以上ないと修理できない場合があるようだ。

★撮影環境
SONY NEX-5 + Schneider Jsogon 40/4.5 + Hakuba Rubber Hood + EXAKTA-EOS Adapter + EOS-NEX adapter(RJ Camera)

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